約 2,188,133 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1284.html
魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~ 第十二話「starlight and steel」 ゆりかご内部、ヴィータと別れて玉座の間に向かうなのはと忠勝。 心配は心配なのだが今は自分に与えられた任務を全うすべき。自分もそう思っていた。 途中で感じる違和感。それは誰かがこちらに向けてくる殺気。自分が立ち止まるとなのはも止まり 「どうしたの?」 今ここでなのはを攻撃されてはまずい。手を奥のほうへ突き出し「先に行け」と目で訴える。 最後まで疑問を浮かべていたが先に言ってくれた。あとはその違和感の元を立つのみ。槍を出すといきなり少女が現れ肩に触れる。 触れた肩に違和感が。中に何かを流されたみたいな感じがする。少女は自分の正面に立つ。 「IS発動、ランブルデトネイター。」 刹那、触れた肩が爆発した。幸いなことにあまり重症ではないが先端が欠けている。 目の前に立つ隻眼の少女は殺気を放った目でこちらを見ていた。敵だ。今のでそう確信できた。 槍を振るう直前に小さな刀が目の前を飛ぶ。振り払おうとした瞬間、また爆発。 こいつは敵であると同時に、自分とは相性の悪い能力を持っているようだ。 交差するウィングロード。ぶつかり合う拳。その下で舞う邪気、飛ぶ手裏剣。 スバル、ギンガ、小太郎、光秀の戦いはまだ続いている。 「くぅううぅ……!」 「………。」 ギンガの攻撃をバリアで防ぐスバルだったがギンガの手首がいきなり回転し始めた。手がドリルのようになり、 スバルの結界を砕く。ドリルは止まらずスバルの肩を襲い、少しだが肉を抉る。 「くぅ…あぁぁぁっ!」 落下してさらにギンガの追撃を食らってしまい、道路にその体を叩きつけられた。 下では光秀の鎌が小太郎の腹を切り裂いた。傷は浅いのだがやはり激痛が走る。 光秀は自分より傷が多いはずなのに笑いながら立っている。恐ろしい男だ。 俯いて何か呟いているが無防備。チャンスは今しかない。忍者刀を構えて走り出すが刹那、顔を上げた光秀の妖しく緑に光る目を見ると体が動かなくなった。 「!!」 無防備になった小太郎を襲う鎌。痛い。確かに痛いのだが傷は出来ていない。それどころか自分の傷が緑色の球体となって光秀のあたりに浮いている。 吹き飛ばされて攻撃が止まったと思い前を見ると球体が光秀の中に吸収されて自分が与えた傷が治っていく。 「ごちそうさまです…。」 妖しく笑う光秀、全身に寒気と恐怖が走る。だがここで倒れてはいられない。 再び忍者刀で傷を与えていく。与えてはいるのだがいつまでも光秀の顔からは笑みが消えない。 「はははは…はははははは!すごい!すごいですよ!この世界に迷い込んで信長公には会えなかったけど、ここで伝説の忍と斬りあうことができるなんてぇぇぇぇぇ!!」 「!?」 今なんと言った?「信長公には会えなかったけど」だと?つまり光秀は戦場に迷い込んで、スバルの姉とは戦場がたまたま同じだった…ということか。 なんとご都合主義なんだ光秀。 上空ではまたもや爆発音が響く。 眼が虚ろになって落ちていくスバル。それを追うギンガ。だがギンガの一撃をマッハキャリバーが動き、防ぐ。 「Wing lord!」 マッハキャリバーが展開したウィングロードに着地するスバル。 見つめた先に助けてくれた自分の相棒。相棒はスバルを励ますように、語りかける。 「We can still take actions... you and I.(まだ動けます・・・私も、あなたも。) We can still fight. So why abandon now?(まだ戦えます。なのに、こんな所で終わる気ですか?) You taught me the reason of my being here, my strength and power which you adore so much.(あなたが教えてくれた、わたしの生まれた理由。あなたの憧れる強さ。) 」 その言葉はひどく重く、スバルの心に圧し掛かる。しかし何故だか、悪い気分はしない。 むしろ、逆に戦意が沸いてくる。 「Don t make everything a lie.(嘘にしないでください。) In addition, that person should expect it, too.(それに、あの方もそれを望んでいるはずです。)」 「!」 完全に戦意を取り戻したスバル。同時に下で起きる「気」の爆発。視線を向けた先には倒れる光秀。 そして漆黒の着物に身を包み、漆黒の翼を背中から生やした風魔小太郎の姿があった。辺りに舞う羽、小太郎は首を横に向けると微笑して頷いた。 無言だったが向けられた背中は「戦え。」と確かに自分に伝えていた。 「ごめんね…マッハキャリバー、風魔さん。いくよ!」 「All right buddy.(はい、相棒)」 「………。」 新たに宿った戦意を心にスバル、風魔、マッハキャリバーは再び目の前の相手の前に立つ。 「はあぁぁぁぁぁぁあ!!」 スバルに魔力が集中。呼応するようにマッハキャリバーもその体を光らせた。 「Ignition.」 「A.C.S.エクセリオン!」 「A.C.S. Standby」 左右の足に二枚ずつ、蒼白い大きな翼が生み出される。 マッハキャリバーモード3・ギアエクセリオン 同時に風魔小太郎も己の中に秘めていた気を一気に開放する。 戦極ドライブLv3、発動 スバルは全速力でローラーを走らせてギンガの攻撃を回避して目の前へ。 風魔は印を結び「風」と虚空に描いて究極バサラ技を発動。同時に立ち上がった光秀に連続攻撃を当てていく。 ギンガの腹に拳を当てるスバル。腕に巨大な手裏剣を二枚生み出して構える風魔。 「一撃……必倒ぉぉぉぉっ!!ディバィィィィィィン!!バスタァァァァァァァァッ!!」 スバルの拳から放たれた蒼い光がギンガの身を包む。 そして光秀は手裏剣に直撃、道路のガードレールを越え、遥か下方へとその姿を消した。 一方、ティアナと猿飛佐助は三人相手に互角の戦いを見せている。 「やれやれ、捕らえるのがこうも難しいとはねぇ。」 のんきに笑いながら頭を掻く佐助だがティアナは結構必死だ。 「アンタみたいにのんきに戦いをやってないからよ。」 「あ、ちょっとその言葉撤回してほしいな。これでも本気だぜ?」 「そんなヘラヘラ笑いながら言われても説得力ないわよ。」 二人の間に黄色い魔力の道が走る。その上から走ってくるノーヴェの攻撃を回避して佐助はバックステップ。 後ろでツインブレードを振りかざしてきたディードの攻撃を手裏剣で防ぐ。そこにクロスミラージュで援護射撃。もう一発でウェンディが放った魔力弾を打ち落とす。 離れたディードの隙を突いて佐助は腹を蹴り、元いた場所に着地。 「うん、中々じゃないか?」 「そりゃどうも。次、行くわよ。」 「へいへい、人使いの荒いことで。」 そう言うとジャンプして下方に落下、ノーヴェ達は追うが降りると自分達の周りに数十人に増えたティアナがいた。 すかさずセンサーを発動し、あたりを見回す。その中で反応が大きいのを見つけ、攻撃する。 「同じ手は通用しねぇんだよ!」 「どうかな?」 攻撃を食らったティアナは黒い粒となって分裂。上から現れた手裏剣を構えたティアナの一撃を受け、吹き飛ぶ。 分身が消え、ティアナの姿に化けた佐助は元の姿に戻る。 「さすがに忍術は通用するでしょ~?」 「クッソォ!」 佐助はヘラヘラと笑う。後ろから突然現れたウェンディ。すでに砲撃準備完了している。 「危ない!」 「へ?」 砲撃が佐助の頭に直撃する。白目で床に倒れる佐助。驚愕するティアナ。 気を抜いた所を突かれ、佐助は倒れた。勝利を悟ったかのように接近するノーヴェ達。 「形勢逆転っすねぇ…。」 「覚悟しやがれ…。」 「………。」 次第に追い詰められていくティアナだが三人の武器、ポジションを見て思考する。 完璧だが、単純なポジション。クロスミラージュに魔力を溜めていく。ティアナが冷静なのはもう一つ理由がある。 佐助はこのぐらいでは死なない。それを裏付けるかのように、倒れていた佐助は黒い粒となり、溶ける。 飛びかかるノーヴェにまず一発。ノーヴェの攻撃は止めた。 「なっ!?」 次にウェンディが溜めていた魔力に一発。 「うっそぉ!?」 爆発して砂塵が巻き起こりクロスミラージュをモード2に移行。ダガーでディードの攻撃を防ぐ。 次に先ほど倒れたはずの佐助が地面から出現。隣にはディード、ウェンディ、ノーヴェの姿をした影が。 驚いてる三人に魔力弾を打ち込むとティアナは離脱。佐助は影とともに体を高速回転。バサラ技を発動。 回転は三人を巻き込んだ。数秒すると回転は止まりノーヴェ達は気を失い、倒れる。 「や~、スッキリしたぁ~。」 「ちょっとやりすぎじゃないの?気を失ってるとはいえ…。」 「そうか?ま、ティアナの援護がなきゃ不利だったのは確かかもな。ありがとよ。」 「…うっさい。」 「うわ、ひっど!」 佐助、ティアナの照れ隠しに気付かず。 ゆりかご内部。隻眼の少女、チンクと本多忠勝は戦う。 忠勝はチンクの触れた金属にエネルギーを流し込み、爆発させるというIS、ランブルデトネイターに苦戦している。何せ攻撃形態の砲身まで壊されたのだからうかつに手出しができない。 そしてチンクもまた、忠勝のパワーに苦戦している。一発当たっただけで体がバラバラになりそうな衝撃が走る。スピードで翻弄してここまで追い詰めているのだが。 「お前…やるな…。」 「………。」 忠勝も無言で相手に敬意を表する。無難に盾を展開させて防御形態をとる。 チンクは盾にエネルギーを流し込んだナイフを当ててISを発動させようとする。 「IS発動、ランブルデトネイッ…!?」 発動させる直前、忠勝は全速力でチンクに接近、爆発に巻き込んだ。二人とも吹き飛んで膝をつく。 盾は砕けてしまったがこれでダメージを与えることはできた。だがこれで盾も失った。次に突進形態。 チンクは跳び、忠勝の両肩に手をつけてエネルギーを送り込む。着地した瞬間ISを発動。突進形態中は急は方向転換は不可能だ。 当然肩は爆発。おまけに爆風でさらに加速がついてしまい、壁に激突。接近してきたチンクに向かい槍を振るう。 「う…くっ!」 今度はチンクが壁に激突。同時に忠勝は槍を縦に構えると紋章が開き、三個の砲身が宙に浮かぶ。 一説ではこの砲身を「ファンネル」や「ビット」とも言う。 忠勝、援護形態。 一回槍を振るう。単純な横凪ぎなため簡単に回避することができたが後ろに現れた砲身から出たプラズマ弾を受け、落ちる。 「…!?」 さらに後の二門が容赦なくチンクにプラズマ弾を当てていく。斜めに振り下ろした槍の攻撃を受けて吹き飛ぶ。 砲身が忠勝の前に留まり、電流で三角形を描く。忠勝はというと低く構えて槍を前に突き出している。突進形態の体勢だ。 「まず…!!」 回避しようと動いた時には、小さな体が突進に巻き込まれていた。 「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 忠勝は一歩離れて槍をチンクの顔に構えるが、それ以上は何もしない。 「…殺さないのか?」 傷ついたチンクの言葉に頷き、槍を下ろして背を向ける。忠勝の行為にチンクは鼻で笑う。 「まったく、甘いな。」 それは自分でも十分承知している。だが誰かに「殺すな」と言われた…といってしまえば嘘に聞こえてしまうのだろうか。 「殺すな」と言ったのは自分自身かもしれないし、または自分以外の誰かかもしれない。とにかく、言われたのは確かだ。 忠勝は先を急ぐ。 チンクはその無防備な背中に攻撃を加えようとしたが、できなかった。 なんで出来なかったのは、謎のまま。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/846.html
「はやて。後でまたかけるから、今日はこれで!」 <え、、、えええっ!?ちょっと!フェイトちゃ・・> ピッ 『ごめんなさい、はやて……』 そう言い通信を切ると、視線を目の前に移す。 「来た!」 意味の無いことかもしれない でも、あの姿を見てしまった以上、 もう引き返せない感じがした。 もし、あの車とツーリングできたら何か自分の知らない不思議なことが起こるのだろうか? そんな期待も少しはしていた。 まだ誰も見たことが無い「速さ」の限界、 しかし、それは一歩間違えたら全てが終わるデスゲーム。 好奇心を取るか、存命を取るか、 私自分の命を削った遊び。 ああ、この世界は「自己責任」の上で成り立っているんだな…。 バックミラーを見る。 やはりだ。轟音を響かせる咆哮のようなエンジン音。 そして、ミッドナイトブルーの鋭い眼差しのようなボディ。 「白い車?あのZと同じ速さで走っていると言うことは?」 昨日とは違って今日は連れがいるらしい。 その証拠に悪魔のZとほぼ同速度で後ろからついていってる白い車がいるからだ。 「もしかしてあの車……仲間?」 『分析の結果、日産製スカイラインGT-RのR32型です』 「スカイライン?……聞いたことがある」 2568ccの直列6気筒4バルブDOHCエンジンに2基のセラミックス製ツインターボ(RB26DETT型)を搭載し、FRをベースとしつつも、高度な電子制御によって4輪に自在に駆動力を配分できる4輪駆動システム(テーサE-TS)を搭載する4輪駆動車である。 今夜は眠れない夜になるだろう。 今、月夜の夜に3匹の獣が舞う。 運命(フェイト)③ 後編 湾岸線の大井ランプを通過した。 深夜の首都高、特に夜湾岸線は基本的にはガラガラに近いというわけでもなく、そんなにどばっと多いわけでもない。 この時間帯には○○宅急便とか、××運送など、運送業者のトラックが多い。 車がいないエリアを確認しつつ、少しずつスピードを上げていく。 アラート発令の時の車の飛ばし具合。 それに匹敵する、いや、それ以上のスピードで目の前に映る一般者とトラックの間を縫う様に抜ける。 時々ちらっとバックミラーを見るが、2台に変化は無い。 まるで通じ合っているかのようにフェラーリの後方で白い車がZを追いかける、いわゆるツーリングをしていた。 「すごい、まるでテレパシーでも通じてるみたい……」 現に魔法で仲間と交信できるフェイトにとってその現象は少々無理はあるものの、不思議に思った。 アキオは無言で前を見据えながらZを走らせる。 次第にアクセルを踏む足の力が強くなり、猛スピードのままカーブも難なく曲がっていった時、前方にフェラーリが映った。 『フェラーリ……テスタロッサ?』 白いフェラーリ。 一般車両が静止した障害物に見える中でただ一台、仲間外れの速さで走っている車。 まるで、こちらを挑発しているかのようにテンポ良く車の間を抜ける。 フェラーリを見るのは初めてではなく、前(というか結構前になる)に今、後方で白いGT-Rを走らせているれいなのカメラマンの顔が思い浮かぶ。 『イシダさんが走っているわけがない。でも誰が?』 前に見たテスタの保有者、イシダこと売れっ子カメラマンの『イシダヨシアキ』は湾岸線一緒に走っている途中でZが事故に遭った後、持病のがんの手術後、最高速から身を引いている(注1)。 Zを操りながら注意深く車を観察すると、何かに気がついた。 『ハザード(非常点滅表示灯)が点いてない。もしかして、初めて?』 好戦的な走り屋なら『挑発』の意味にとらえ、普通の使い方以外なら『挑戦状』の意味にもなるハザードランプ。 周りとは違うスピードが出てるのは単に自分のスタイルで走りたいからだろうか。 どうもフェラーリの走りは好戦的とはとらえにくい。 『どうしようか……』 多分れいなも同じ気持ちだろう。 しかし、すぐ答えは出た。 フェイトもなかなか仕掛けてこないZに少し焦りを見せていた。 とりあえずレインボーブリッジを超え、羽田まで引っ張るも、一向に離れない。 すると、 『Zが接近中!約時速300キロで迫ってきます!』 「時速300!?」 驚いた。この時代にこんなつぎはぎだらけの首都高で300キロ以上を出しながら駆け抜けるとは・・・ 勝負を仕掛けてきたのだ。 カーブで振り切ろうとハンドルを振るが、一向に離れずそれどころかフェラーリとの間を縮めていく。 「カーブなのに減速しないの!?危ないわ!」 『人の事言えませんね……』と突っ込みたくなったが今のフェイトはものすごい変な事にピリピリしているからよしておいた。 アキオはスピードを出しながら距離を確認する。 こちらから打って出たのだ。 『!?』 フェラーリとZが横に並んだ時、アキオはふっとドライバーを見た。 シートの座高以上もありそうな長い金髪の髪、まるでハリウッドの女優のような高貴で端正な美しいが、少し幼さも隠す顔立ち。 胸に何か熱い思いを秘めている赤い真紅の瞳。 それは、いつも車のことばっかり考えているアキオをも見とれてしまう美しさであった。 どこかで見たことがある。確か… 『あ、そういえば、あの時……』 アキオは何かを思い出した。 それはバイトが終わり身支度を終えて、Zを取りに行った時の北見の保有するガレージにて。 「……ということだ、お前が心配してたカムシャフト(注2)部に異常は無かったから前より良くなってるはずだ」 「そうですか……ありがとうございます」 ガレージに入りZの状態を知らされ、そんなにたいした事が無く安心してた時のこと。 「ん?」 アキオは北見がエンジンを組むときに使う作業台の上で何やら小さな長方形の紙を発見する。 名前と学校名の他に綺麗な金髪の長い髪の女性の映った写真が入っていた。 「え~っと。『フェイト・T(テスタロッサ)・ハラウオン』……」 「ああ。そいつか?」 Zの最終チェックをしている最中の北見が言った。 「誰ですか?この人」 「『探し物をしてるから協力してくれ」ってサ」 「そうですか。しかし、綺麗な人ですね。れいなをも負かしそうなくらいに」 「くくく…でも『綺麗な薔薇には棘がある』からナ。気をつけな」 冗談ぽく北見が言う。 間違いない。 この人だ。昼にガレージを訪ねてきたのは。 その傍ら GT-Rの後方についてくる車が一台。 「おっ。今日はツイてるぜ!占いのご利益ってか!?」 男はハイテンションでR44、通称ハコスカを操っていた 「待ってたぜ、『悪魔のZ』!」 そう言い、中央のボタンを押す。 「この日をずっと待っていた!ブーストアーップ!」 すると、エンジンの音色が変わり、そして、車のスピードがケタ違いにアップした。 「ターボブーストの500馬力、受けてみろ!」 「ダメ……抜かれる!」 Zが隣に並び、フェイトは諦めかける。 やはり、あのときの二の舞になるのか……。 それはそうだ。この当時無敵のL28、ツインターボ搭載のエンジンに対し、 近未来世界のフェラーリのクリーン式ノーマルエンジンが挑むのは竹槍でB29戦闘機を落とすようなものだ。 もはやこれまでかと思った、その時……。 『マスター!後方に高速車接近。危険です!』 バルディッシュから警告が流れた。 「くっ……あの白い車ね……」 後方からだから多分そうだろう。 『違います!GT-Rの後方からです!』 「何ですって!?」 バックミラーを咄嗟に見る。 レトロな風貌の車が猛スピードで迫る。 『同じくスカイライン、通称ハコスカです!』 「ハコスカ?」 R44。通称『ハコスカ』 C10型のスカイラインの仲間であり、バルクヘッド前よりホイールベースを延長。エンジンはプリンスではなく、日産系の直列6気筒、OHC、2000ccのL20型エンジンを搭載する。 この車をコンセプトとして発売されたのが今自分の後方で走っているGT-R32である。 ハコスカが白いR32を抜き、フェイトは前へ行かせまいとブロックするように左右にハンドルを振るが、既に遅く、気が付いた時にはフェラーリの前方を走っていた。 「うそ…」 自分の車はあの車の足元にも及ばないのか。 そう考えるとZ以上の嫌悪感が漂う。 しかし、この後彼女はこの車の衝撃的な様を知ることになる。 GT-R、フェラーリを抜いたことで調子に乗ったのか、続けて悪魔のZをあっさりと抜く。 まるで勝ち誇ったようにスピードを上げたが、 横羽線のS字カーブ、その入り口付近を曲がろうとしたハコスカが突然スピンを起こし突如として制御不能に陥った。 「うあああああああ―――!」 そのままハコスカはガードレールに激突し、フレームが大きく変形させながら跳ね、ボンネットが開き、そのまま停まるとガソリンが電気系統に引火し、炎上した。 その様はまるで炎の中に取り残され、夜空に向かってほえる獣のようだ…… 「きゃあ!」 まるで紙屑の様に跳ねるハコスカを見て思わず悲鳴を上げる。 何とかレーンチェンジして巻き添えを食らう事は無かったが事故によって少々精神が乱れた。 助けに行きたくてもこんな中でどう助けを求めればいいのか…… 「ひどい……」 運動に関連する公式に当てはめてみても中の人間は到底助からないだろう。 ハンドルを持ったら自己責任の上で車を走らせなければならないから当然の事と言える。 罪悪感に押されながらもそのまま無視して横羽線をZを追いかけるように走り抜けた。 Zはこれからどうするのか? そう考え前方のZをみると、なにやらハサードランプをチカチカ点灯させながらまるでこちらを誘導するかのように羽田ランプから首都高を降りる。 「『ついて来い』って言ってるのかしら?」 ラジオの交通情報はさっきの事故の状況が流れ、一緒に走っていた自分とZと白いRを捕まえるため各料金所に検問を設置すると言う。 「やれやれ……本来なら調査する側の私が今度は加害者になるとは……」 Zは事故が起こったことでもう首都高は当分の間走れないと判断したのだろう。 少なくともZと白いRはこの自分よりも首都高に詳しいと知る。 当然、規制回避のプロセスも分かっているのだろう。 フェイトはZに競争意識が無いことを確認しつつ、Zの後をついて行った。 「私には、わからない……」 意味が分からなかった。 どうしてドライバーはZでこんな危険な遊びをするのか…… なんで?なんで貴方はこんな危険なことをするの? 下手したらあの車のように木っ端微塵に砕け散るかもしれないのに…… (END) (注1)湾岸ミッドナイト、第3巻参照 (注2)エンジンを構成する部品の一つ。カムと呼ばれる部品で構成される『エンジンの心臓部』とも言われる部品。 (次回予告) 引きつけられるように。 呼び合うように。 選ばれし冒険者が集まっていく。 約束された大地で待つあの車を見るために…… すべては、あの悪魔の先を走るために…… 次回、魔法少女リリカル湾岸ミッドナイト SERIES#2 その車、危険につき① 「あたしはただ、あの車について行きたいだけなの」 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/829.html
二人が喫茶店から出てきたのを確認した執務官補・ティアナ・ランスターは待機していた車から降りると 二人の後を尾行し始める。気づかれないように距離をとり、二人に視線が注目しすぎて注意しながら。 『フェイトお嬢様は?』 『今のところ大丈夫。まあ、あの人なら簡単なことなら自分で対処できるけどね・・・』 どこか他の場所に待機している旧ナンバーズでなぜかJS事件収束後、フェイトの執務官助手として居候中のトーレから 通信が入る。 『どこに行くかわかりますか?』 こっちも同じく居候中のセッテから。因みに二人は無給。二人とも性格が性格なのであまり気にしていない。 さあ?そういいながらMAPを表示。この先にありそうなのは・・・。 『この先の公園かしら?。チームで先行して安全を確保しておいて。目的地が違ったら近くで待機』 『分かった』 『一応言っておくけど都市のガードに目をつけられないように』 「後ろに付いて来てるのはあなたの部下かしら?」 気づかれていた。フェイトは苦笑するしかない。帰ったら尾行の教育をしないとだめかな? 「まあ、そんなところです」 スミカの案内で付いたのは都市部によくありそうな大きな公園だった。昼下がりということもあり周りにいるのは子供 が多い。公園内の東屋にはよく知っている少年を挟んで、よく知っている少女が二人座って睨み合っていた。 おそらくよく知る居候の助手二人もどこかにいるだろう。 なんか禍々しい空気があるわね、そう思いながらスミカは手近なベンチにフェイトと並んで腰を下ろす。 スーツ姿の女性とタンクトップにパンツ姿の女性、並んでみると接点がなさそうに見える。 「で、聞きたいことは?」 「なぜ、彼を選んだんですか?当時あなたは研究素材として研究施設に捕まっていて外部の情報は知りようがなった筈です」 「あの時は誰も彼のことは知らなかった。知っていたとしても唯のレイブンとして、ね」 「じゃあ・・・」 「彼とコンタクトを取れたのは本当に偶然よ。ネットを通じて幾つか作戦を依頼し、そして脱出時に初めて出会った」 そこまで言って一旦言葉を区切る。空を仰ぐ。あの時を思い浮かべる。 「護送用のトラックを脱出した後、コーラルスターを回収して予定していた地点に急いだ。信じられる?彼はウェンズデイ 機関の私兵一個中隊を一人で全滅させたのよ」 『助けてくれて感謝するわ。私の名はスミカ・ユーティライネン。救出の依頼主です』 格納庫の中の光景はすさまじいの一言だった。戦いを挑んだであろう魔導師達の死体が転がり、壁や天井には戦いの 激しさをあらわす弾痕や傷跡・・・。 ここがこれならここまでの道筋は・・・。 『分かった』 『ここまで派手にやらなくても・・・』 スミカの言葉を遮り男が答える。若い男の声。だが深い影が感じられ、年寄りの声のように聞こえた。 『脱出路はこっちだ付いて来い』 男はそういうと体を翻して通路を進んでいく。 「それまでの依頼で能力は知っていた、いえ、知っていたつもりだった。その後、彼にはここアンバークラウンの近くに 居て貰って優先的に私の依頼を受けてもらったわ」 お金はかかったけどね。そういいながらまたスミカは空を見上げた。 「その後、あなた達はウェンズデイ機関と戦いを繰り広げた」 「そう。裏にいたのは当時のムラクモミレニアムと言われていたわ」 ムラクモミレニアム。現在のミラージュ社は管理局のスポンサー企業でもある。 「もう一人、レイブンがいたわ。スティンガー。機関と専属契約を結んでいたレイブンよ」 「話は聞いたことがあります。が、彼に関する記録はほとんどありません。彼はどんな役割だったんですか?」 「機関専属のレイブン。だけど私達が機関の邪魔をし始めた時から彼はおかしくなっていったわ。試作型のファンタズマ まで持ち出して私達を襲ってきた・・・」 『あれがファンタズマ・・・?』 接近する機体にスミカは注意を向けた。 『いつまで面倒をかける気だ?!』 接近してくる大型の機動兵器からオープン回線で通信が入る。その声は間違いなく幾度となく相対した レイブン・スティンガーだった。 『スミカ、下がっていろ。こいつの狙いは俺だ』 『気をつけて・・・!!』 大型機動兵器に挑む男は距離をとりながら確実に射撃を打ち込み隙を見るや接近戦を仕掛ける。 スティンガーは反撃しようと火力で押し込も。が、回避を続けている男を捉えられなかった。 『俺が・・・やられるはずが・・・』 損傷が限界に達したのか大型機動兵器は煙を吹きながら引き返していく。 『・・・殺してやる、・・・殺してやるぞ・・・』 『追撃を・・・!!』 止めを刺そうとスミカが追撃をかける。 『待て、必要ない』 『な・・・』 ここで逃がしたら・・・!!そう言おうとしたスミカを遮り男が止める。 『おそらく奴の機は制限がかかってる試作だろう。あれを落としても完成型が出てくるだけだ。それに・・・』 男は一旦区切るとスミカのほうを向いた。 『ああいう奴はすぐに現れるさ。だいぶ頭にきてるみたいだからな。そっちのほうが御しやすい・・・』 スミカは一瞬目を疑った。男が笑ったように見えた。 「確認された試作機はあなた達が破壊した三機。そしてオリジナルの一機。これが確認されたのは・・・、 未踏査世界・アビス。旧暦の戦争で廃棄された世界だとされています。これを発掘したのはウェンズデイ機関の調査隊 でしょう。勿論、違法調査ですが・・・」 「あなたはアビスの中の座標が知りたい、そうでしょう?」 「はい」 「だけど私はアビスに行っていないわ。スティンガーに招待されたのは彼一人だけよ」 「え?」 思わぬ一言にフェイトはまさかと言う顔をした。 「まあ、彼が帰還して、スティンガーが未帰還になった。それがすべてを物語っているわ」 「それじゃあ、アビスの座標は・・・」 知らないのですか?そうフェイトは聞こうとした。 「アビスの座標なら知ってるわ。だけどあんなおかしな所に行ってどうするの?あそこには廃墟しかないと彼の レポートに書いてあったわ」 「・・・私達の捜査チームはジャック・Oというレイブンを追っています。ご存知ですか?」 スミカは頷く。レイブンと名乗るものなら誰も知らぬものはいない男の名。 「かつてのレイブンズアークの主催でレイブンの独立性を訴え管理局と正面から衝突したレイブン。 今は行方不明?死亡扱いだったかしら?」 「彼はアークの崩壊後、地下に潜りました。死亡してはいないでしょう。そして彼が長期的な計画を考え、 何かを準備している。私達はそう考えています。そして・・・」 「彼は何処かの未踏査世界にいる。それで未踏査世界を調べている・・・、特にレイブンの関わった場所を・・・」 スミカの言葉にフェイトはうなずいた 「お話をして頂きありがとうございました。協力に関する報酬ですが・・・」 「お断り」 スミカはにべもなく答える。だが彼女の手にはいつの間にか握られていたのかクシャクシャになったメモがあった。 「これをあげるわ。アビスの中の座標が書いてある。座標軸のとり方は一般の地図と一緒よ」 「しかし・・・」 「今回のおしゃべりは楽しかったわ。あの事件の事について人と話せたの初めてなの」 そういうとスミカは立ち上がり、歩き出す。 「あの・・・!!」 なおも食い下がろうとするフェイトに振り返り話しかける 「そうそう、もうちょっと護衛の立ち方、教えた方がいいわよ。バレバレよ。じゃ、またね」 フェイトは憮然とする。全員が自分もよく知るベテランぞろいだ。それの気配に気がついていたらしい。 コア・デバイスを持たない準レイブンでもここまでできるものなのかとフェイトは認識を新たにした。 『さあ、みんな帰りましょか。とりあえずデブリフィーリングは覚悟しておくように』 チームとして動く全員に通信を送る。スミカに傍受されないよう最高度のスクランブルつきで。 『了解・・・』 これから始まる小言の時間に全員、六人が気落ちした声で返事をする。 『合流地点はとりあえず予定通り第二とします、以上』 まずは全般を指揮するオーリス二佐に報告書を書き上げて、その後にみんなに特別訓練かな。 そう思いながらフェイトも全員との合流地点に歩き始めた。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1968.html
魔法使いが落ちていく 『あー、あー。聞こえますか? 私は、時空管理局機動六課に所属している――』 「この声、なのはさん……!?」 マッハキャリバーが自分には移動手段として不向きということで、 新たな移動ルートをマッハキャリバーと考えていたレイは拡声器で増幅された声を聞く。 しばらく聞きいっていたが、誰かと言い争うような声が聞こえ、その後爆音が響いたところで我に返る。 「いけない……行こう、マッハキャリバー!」 『異議はありません。しかし戦闘に巻き込まれた場合戦闘力の無い仮マスターは危険です』 「そ、それはそうだけど……」 冷静に状況を分析するマッハキャリバーにレイは進みかけていた足を止める。 確かにマッハキャリバーは非力な自分には扱えず、デュエルモンスターズのカードもデュエルディスクがなければただの紙だ。 戦闘になっているのだとしたら、自分等が行っても足手まといになるのがオチであろう。 「だけど……そうだ! なのはさんにマッハキャリバーを投げ渡してすぐ逃げる! これならいいかも!」 『……扱われ方に抗議したいですが、高町なのはと合流するという点ではよい考えかと』 「エリオ……」 もはや体温を感じなくなったマサキの体を抱えながら、なのははただ歩き続ける。 一度でも立ち止まってしまったら、再び動きだせる自信がなかったのだ。 「病院……急がないと……」 急ぐ必要などない、すでにマサキが絶命していることにはなのはも気付いていた。 ならば何故歩みを速めるのか――認めたくないだけだ。 自分が拡声器など使わなければ、エリオに気づき止められていれば、この青年は死なずにすんだかもしれない。 名も知らぬ青年の死、その原因が自分であると認めたくなく、かといってエリオの――自分が殺した者のせいにすることもできず、なのははただ目の前の死から目を逸らす。 「なのはさん!」 「え……?」 聞き覚えのない声に背後から呼びかけられ、思わず振り返る。 当然足は止まり――両腕に遺体の重さがかかり、マサキの死体のことを知覚してしまう。 「あ…ああ……!」 「なのはさん……? その人は……」 明らかに様子のおかしいなのはに、レイは先ほど考えていたことも忘れ問いかけようと一歩近寄る。 見知らぬ人間が接近する、それは今のなのはに動揺を与えるには十分なことであり、バランスを崩してマサキの体を落としてしまう。 「あ」 「え?」 レイの目に飛び込んできたのは、男の体にあった大きな傷となのはの血まみれの体。 男の体は重力にひかれてべしゃりと地面に叩きつけられたまま動かず、 なのはは今まで男の影になっていたのだろう、一本の剣を持ったまま硬直している。 「え……まさか、死んで……なのは、さん……?」 「あ、ああ……ち、ちが、私じゃ……!」 もしもレイが異世界の事に気づいていなければ、なのはがこんな事をするはずがないと思ったかもしれない。 もしもなのはがもう少し冷静でいれば、抜き身の剣を持って警戒されている相手に近づくなどという真似はしなかったかもしれない。 ifは起こらず、レイは「異世界の一つには残忍ななのはがいるのでは」という考えてしまう。 ifは起こらず、なのははただ自分の無実を伝えようと今の自分の姿も忘れてレイへと近寄る。 ――結果。 「いやぁぁぁぁぁぁ!!」 「っ!?」 レイは悲鳴を上げ、なのはは怯んで動きを止める。 それは第三者から見れば「少女を襲う殺人鬼」としか見えず―― 「はぁ!」 「きゃっ……!?」 男に背後から殴りかかられるのを、咄嗟に転がり回避。 すぐに体勢を立て直して襲撃者を見ると、その男――影山は自分とレイの間に立って戦闘態勢に入っていた。 「まさかあんたが殺し合いに乗ってるとはな」 「ち、違う! 私は殺したりなんて……」 「とぼけるな! その男の死体は何だっていうんだ!」 「――っ!」 なのはが言葉に詰まっている間に、へたり込んでしまったレイへ一足のローラーブレードのような物を投げ渡す。 戸惑うレイに、影山は無愛想に言葉をかけた。 「さっさと逃げろ、そこにいられたら邪魔だ」 「で、でも……」 「いいから――ああ、金髪のシャマルって女を見かけたら俺が……影山がこう言ってたって伝えてくれ、絶対脱出する手段を見つけるからって」 「あ、は、はい……そうだ、お願い、マッハキャリバー」 影山の殺し合いには乗っていないという言葉に安心し、レイはマッハキャリバーを首からはずす。 『何でしょう、仮マス――!?』 「あの人を助けてあげて!」 言葉を最後まで聞きもせず、影山へマッハキャリバーを投げ渡す。 「デバイス……!?」 「助けてくれてありがとうございます……気を付けて!」 「……あ、ああ」 戸惑いながら影山が頷くのを見て、レイは今受け取ったローラーブレードを履いて町の方へと逃げ出していく。 【早乙女 レイ@リリカル遊戯王GX】 【一日目 現時刻AM3 07】 【F-6 丘】 [状態] 健康・悲しみ・不安 [装備] スバルの自作ローラーブレード@魔法少女リリカルなのはStrikerS [道具] 支給品一式(E・HERO バーストレディ@リリカル遊戯王GX、E・HERO ウイングマン@リリカル遊戯王GX 融合@リリカル遊戯王GX、北高女子用制服@ティアナ・ランスターの憂鬱) [思考・状況] 1 あの場から離れる 2 影山さん、大丈夫かな…… 3 異世界のなのはさんが、あんな人だったなんて……! 4 信頼できる人間(遊戯王メンバー)との合流 5 シャマルに会ったら影山からの伝言を伝える 6 十代を正気に戻す 7 ゲームには乗らない レイが立ち去ったのを見て、影山は今だに動かないなのはへと向き直る。 「意外だな、お前はこんな殺し合い、一番嫌うと思ってたんだが」 「だから……違うの! 私じゃ……私、じゃ……」 ――私じゃない。 そう言いきることがどうしてもできない。 そう思ってしまえば楽なのに、事実自分が攻撃したわけではないというのに、 どうしても否定することができなかった。 そんななのはを見て、影山は大きく溜息を吐きながらマッハキャリバーを起動する。 「殺しはしない……シャマ姉が悲しむから」 「シャマ姉……? シャマルさん……?」 「これ以上殺しなんて考えられないよう、叩き潰す!」 叫びながら影山は走りだし、リボルバーナックルで殴りかかる。 咄嗟に永遠神剣で受け止めるも、続いて放たれた素手の拳は剣で受けるわけにもいかずにまともに喰らってしまう。 「あくっ……!」 「どうした、そんなものか!?」 「お願い……話を聞いて……」 「そんな言葉に騙されるか!」 いいように攻め続けられ、なのはは少しずつ応戦する気持ちが薄れていく。 エリオを殺してしまった自分がのうのうと生き延びていいものか、仲間にどんな顔をして会えばいい? それならいっそ、この男の拳を受けてそのまま眠りにつきたい、 殺す気はなくともリボルバーナックルの一撃を頭に食らえば、威力としては十分だろう。 ほら、次の一撃なんてよさそうだ、剣を下げて、このまま拳を受けよう。 「なっ――!?」 驚いてる……当然だよね。拳を止めようとしてるみたいだけど、もう遅いよ。 ごめんなさい、あなたを人殺しにさせます。 ごめんねエリオ、そっちで謝らせてね。 ごめんねスバル、ティアナ、アーカードさんとならきっと大丈夫だよね。 ごめんねはやてちゃん、シグナムさん達は、きっと全力で守ってくれるんだろうな。 ごめんね……フェイトちゃん。 「何やってんだ、この馬鹿!」 「っ!?」 結論か言うならば、影山が拳を止めるのは間に合った。 なのはに当たる直前にマッハキャリバーを解除し、わずかに短くなったリーチが彼女の命を救ったのだ。 「お前のその瞳、本当の闇を見たのか……何があった」 散々暴れて冷静になったか、なのはの顔を見ながら影山はようやく話しを聞く体勢に入る。 「私は……エリオを、殺した……!」 「エリオを、だと……? あの男の事はは無関係とでも言う気か?」 「違う……あの人も私のせいで、私が止められなかったから……」 要領を中々得れなかったがなんとかなのはから話を聞き、何があったのかを知る。 そういった事情ならなのはは殺し合いには乗っておらず、エリオの事も正当防衛と言えるだろう。 ――今の話を信じるなら、な。 無論、なのはが真実を言った証拠などありはしない、自分を騙すための作り話という可能性もある。 ――だけど、この瞳の闇は本物だ。 地獄を見た者にしか判らないであろう瞳に宿る闇。 なのはの瞳には矢車や影山と同じ絶望の闇が宿っていた。 「おい」 「え……?」 「お前、俺の妹になれ」 【影山 瞬@リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー】 【一日目 現時刻AM3 22】 【F-7 山】 [状態] 健康 [装備] マッハキャリバー(待機状態)@反目のスバル [道具] 支給品一式、不明支給品1~2個 [思考・状況] 1 これでいいんだよね、兄貴 2 シャマルを探し出し守る 3 あの女の子(レイ)、探すべきか? 4 脱出する方法を探す 5 兄貴はどうするのかな…… 【高町なのは@NANOSING】 [時間軸]第八話終了後 [状態]精神的疲労極大 、魔力消費中、体力消費中 [装備]永遠神剣"求め"@リリカル×アセリア [道具]支給品一式、不明支給品0~1個(なのはが確認済み)、不明支給品0~2個(マサキが確認済み) [思考・状況] 基本 みんなで生きて帰る……自分にみんなといる資格があるのか疑問。 1、いもう、と……? 2、私は、みんなとどう会えばいいの……? 3、エリオ…… 050 本編投下順 052
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2474.html
俺がシグナム達の真意を知ったあの夜から、一週間が過ぎた。 いつも寝た振りをして感づかれないようにやり過ごしてはいるが、近頃あの四人のうち何名かが、時には全員が夜に(主にはやてが寝入った後に)家を出て行き、明け方頃に帰ってきていることも知っている。おそらく例の蒐集とやらを行っているのだろう。 そして俺はその気配を感じる度、自身の不甲斐なさ、無力さに打ちのめされている。 悔しい・・・ それはあの日から幾度と無く心に浮かんでは消える言葉。 だが浮かんだ所で何が出来る訳でもなく、苛立ちだけが募ってゆく。 守るべき少女が苦しみ、共に生きる家族が戦っている中、自分に出来る事が無いもどかしさ。 ・・・力が、欲しい。あいつらと共に戦える力が。このふざけた運命に突き立て、切り裂き、なぎ払うだけの力が。 第四話「戦鬼再臨」 「みんな遅いな〜。こんな時間までかかるなんてどないしたんやろ」 キッチンで夕食の準備をしたはやてが時計の針を見つつ言う。 ヴィータとザフィーラは散歩に、シグナムは剣道場のコーチに行ったきり戻ってこない。 三人が蒐集を行っているだろうことは考えなくても分かることだが。 「だ、大丈夫じゃないですか?きっとたまたま遅れてるだけですよ」 どこかどもりながらフォローを入れるシャマル。だが内心はきっと心臓バクバクだろう。 「だとええんやけど・・・ゴウ、悪いんやけど、みんなの事迎えに行ってくれへんか?」 「構わんが、携帯電話はどうした?全員に持たせてあるだろう」 「それがな、さっき皆にかけてみたんやけど、誰にもつながらへんのや。…それに、ちょう不安に思うこともあるんよ」 「不安?」 ゴウと、シャマルも気を引かれたように振り向く。 「うん。最近いつにも増して皆の帰りが遅いやろ?それで、シャマルたちには悪いんやけど、もしかしたら、何か危ないことでもしてるんやないかと思ってしもたんや」 気付けば、微かにだがはやての体は小刻みに震えていた。 「うちは欲張るようなことは何もいわへん。この家で皆といつまでも暮らせて行けばそれで満足や。…でも、せっかくできた家族がいなくなって、また一人になるのは…それだけは嫌なんや…」 「はやてちゃん…」 はやては悲しそうに、そう呟いた。 シャマルは何も言えずに俯く。 俺ははやてには、四人が行っている事を伝えていない。 常に主第一で動いているような連中が、その主に隠れてまで行っている事だ。 簡単にばらすなどできよう筈がないし、はやての性格上、もしばれたら即刻止められるのは目に見えている。それに現状ではやての命を救えるのはそれだけだと分かっている以上、心苦しくとも嘘を貫くほかなかったのだ。 だが、いくら命を救う為とはいえ、はやて本人を不安がらせてないがしろにしていては、それこそ本末転倒だ。 だから俺は、手を握ってやることにした。いつだったかはやてが望んだように、不安を拭い去ってやるため、俺は屈んで震えるその小さな手を握った。 「ゴウ?」 「大丈夫だはやて、何も心配はいらない。前にも言ったろう?お前が望むことを俺は叶えると。それはあいつらも一緒だ。お前の元からいなくなったりは絶対にしない。 だから、そんな顔をするな。俺達も、お前の悲しむ顔は見たくない」 我ながら白々しいとは思う。シグナム達は禁じられた蒐集行為を独断で行い、俺はそれを見て見ぬ振りだ。本人の前ではいい顔をし、陰では知られてはまずいことを(平然とまでは言わないが)行っている。おこがましいと言うほか無い。 だが言ったことは本心からだった。図々しいと理解しているからこそ、俺はこの娘を幸福にしてやりたいという本心からの言葉をぶつけた。 そしてそんな俺の言葉を聞き、はやては微笑みを浮かべた。 「…そうやね。家族を大切に思うんやったら、まず家族のことを信じなあかんな。ごめんなシャマル、変な事言うてもうて」 「いえ、そんなことないですよ」 先程とは打って変わり、明るい笑顔で言うはやて。シャマルもまた眉間の皺が取れたようだった。 「そういうことだ。よし、それじゃあ俺はあいつらを探しに行くが、戸締りはしっかりな」 「うん、そっちは大丈夫や。それじゃあお願いな」 「気をつけて下さいね」 片手を挙げて二人に答えるゴウ。振り返ることはしなかった。 ゴウは自室へ入っていき、ハンガーにかけてあった上着を取る。 それに袖を通してドアノブに手をかけたところで、ふと違和感を感じた。 違和感、と言うよりも、誰かが自分を呼んでいるかのような感じだ。その感覚の元はというと、忍道具一式をしまってある戸棚から漂ってくる。 「・・・?」 不信感を抱きつつも、扉を開けて中を調べてみるゴウ。 そしてその感覚は、この時代へ来た時に所持していた封印刀の変化した、あの黒い金属の羽から発せられていた。 半ば無意識のうちに、ゴウはその羽を手に取っていた。 そしてそれを手にした瞬間、ゴウの頭の中に膨大な量の“情報”がダイレクトに送られてきた。 「くうっ!?」 ──地球から少し離れた次元世界 「おおおらぁぁっ!!」 「ごほおっ!?」 ヴィータの放ったグラーフアイゼンの一撃が、武装局員のガードを抜いて胴体に命中、局員は勢いのまま弾き飛ばされる。 が、すぐさま別の局員が自分に向かって肉薄、咄嗟に身を逸らしてその一撃を回避するヴィータ。 「ちっきしょう、こいつら数が多すぎんだよ!!」 ヴィータは肩で息をしながら、先ほどから絶え間なく続く攻撃の嵐に、思わず悪態をつく。 「まさか管理局の武装隊、それも一個小隊に見つかってしまうとはな。我々も運が無いな」 「他人事みてーに言ってる場合かよ!」 「シャマルがいなかったのが裏目に出たな。接近に気付けなかったか・・・」 余裕ありげに話すシグナムに噛み付くヴィータ。ザフィーラはジリジリと迫る局員達を睨みつけている。 何故この様な修羅場になっているかというと、この世界での蒐集活動を終了させた後、元の世界─97管理外世界へ帰還しようとしたところ、ロストロギアの反応を追って調査に来た管理局の調査部隊と遭遇。そのまま否応なしに戦闘に入る事になってしまったのだ。 当然一方的に攻撃を受けるばかりではなく、互いが互いを庇い合いながら各個撃破に努めてはいるが、如何せんその戦力比は3対30以上。撃墜した分を差し引いても20人弱は残っている。“一対一なら負けは無い”と謳われたベルカの騎士でも、手に余る戦力差だった。 今は仲間同士背中を互いに向け合いながら膠着状態に入っている。 「捕縛結界はまだ張られてねーし、シャマルに連絡して強制転移かけてもらおうぜ」 「無理だな。例え我々の座標が捕捉出来ても、相手がこの人数だ。完全に転移するヒマなど与えてくれんだろうよ」 「それに突然シャマルがいなくなれば、主たちに怪しまれる。今バレる訳にはゆかん」 「チッ、めんどいったらねーぜ……って、うおっ!」 会話している最中、一発の魔力弾が放たれ迫る。それは命中しはしなかったが、ヴィータのバリアジャケットの帽子を掠めて吹き飛ばした。 それは他人にとってはただの帽子でも、ヴィータにとってははやてからもらった大切なもの。はやてを心から慕うヴィータにとって、それは許せざる行為だった。 「テメェェェェェ!!!」 激昂し、叫ぶと同時にグラーフアイゼンを構え、猛然と突っ込んでいくヴィータ。 「馬鹿!うかつに離れるな!」 慌ててシグナムが引きとめようとするが、時既に遅し。陣形が崩れた部分から局員がなだれ込んで来て、それの対応でヴィータの後を追えない。 「シュワルべフリーゲン!!」 打ち出した鉄球を誘導弾として操る魔法を放ち、なかなか距離を詰めてこない局員に叩き込むヴィータ。 だが敵も生半可な実力ではなく、防壁や魔力弾でそれらを撃ち落し、断続的に射撃魔法攻撃を敢行してくる。 対してヴィータは防御魔法パンツァーシルトを展開、それを前面に押し出しつつ再度突撃していく。 ──が、突如ヴィータの背中を、強い衝撃が襲った。 「ごっ…はあっ…」 掠れて殆ど聞こえない声をあげながら、ヴィータは地面に向けてゆっくりと落下していく。 何が起こったかは単純明快。局員の一人が、仲間が集中砲火を浴びせて敵の意識をそちらに向けている隙に、背後に回りこんで狙撃する。ただそれだけのことだ。 普段なら当たる直前で気付いたかもしれない一撃。しかし、熱くなって冷静さを欠いた今のヴィータにそれは不可能なことだった。 「ゴホッ…痛ーな、ちきしょう……」 バリアジャケットがダメージを軽減させたのと、高度がそれほど高くなかったこともあり、落下後もヴィータは意識を失うことはなかったが、負ったダメージは軽いものではなく、なかなか立ち上がることができない。 自身の迂闊さを呪うヴィータ。だが立ち直る隙さえも相手は与えてはくれなかった。 「避けろヴィータ!!砲撃が狙っているぞ!!」 未だ援護に向かえないザフィーラが危険を察知し、倒れ伏したヴィータに警告を呼びかける。声に反応して周囲を見渡すと、さっき自分を狙撃した局員が杖の先に魔力を収束しているのが見える。碌に身動き出来ない今の状態であれをくらったら確実にやられる。 (冗談じゃねーぞ。アタシは絶対にはやてを助けて、あの家で皆と一緒に楽しく暮らすんだ!なのにこんなトコで・・・) だがいくらもがいても体は言うことを聞いてくれない。そうこうしている内に砲撃のチャージが完了し、美しい色合いの、しかし凶悪な光の奔流が放たれた。 シグナムが血相を変えて包囲網から無理やり抜け出すが、あの位置からでは既に追いつけないだろう。 (はやて!!) もう間に合わないと覚悟を決め、ギュッと目を瞑るヴィータ。 一秒…二秒…三秒が過ぎたあたりで違和感を覚え、静かに目を開けた。その目に映ったのは、自分へ向けて撃たれたはずの砲撃を受け止める暗い色をした魔法障壁と、それと同色の衣を纏った、大きな男の背中だった。 「ふむ、盾なんぞ初めて使ったが、存外使い勝手は悪くないな」 抑揚の無い声で男は呟き、砲撃を完全に防ぎきる。ふと空を見てみると、シグナム達がその男を見て驚愕の表情を浮かべている。それもそのはず、本来その男がこの世界にいる事などありえないのだから。 そしてヴィータも目の前の男の後ろ姿には見覚えがあった。 「ゴウ……?」 ヴィータの呟きに反応し、男がゆっくりと振り返る。 「大丈夫だったかヴィータ?何とか間に合ったようだな」 口元は布で覆われていたのではっきりとは分からなかったが、見慣れたその切れ長の目元は見間違えようがなかった。 「どうして、ここに…?」 「話は後だ。今はこいつらを倒すのが先決だろう。コイツを飲んだら早くシグナム達と合流しろ」 ゴウは懐から小さい薬壜を出してヴィータに手渡す。 「これは?」 「回復薬だ。即効性だから立つことくらいは出来る筈だ。それより早く行け、此処は俺が引き受ける」 「う、うん。分かった」 壜の中身を一気に煽った後、何とか体を奮い立たせ、飛行魔法を発動させ飛び上がるヴィータ。慌てて後を追おうとする局員もいたが、ゴウは手のひらに一瞬で手裏剣型の魔力弾を形成し、それを投擲して動きを妨害する。 「貴様らは俺が相手をすると言ったはずだ。行きたければここを片付けてからにしろ」 「…お前を管理局に対する敵対者と認定し、公務執行妨害で逮捕、拘束する!」 ゴウの言動から間違いなく敵だと判断したのか、局員達は杖を構えて一斉に攻撃をしかける。だがそれを見てもゴウは顔色一つ変えない。 飛ぶ様子を見せないゴウに陸士隊が真っ先に迫ってくるが、上段から振り下ろされたポールスピア型のデバイスを、腰から瞬時に引き抜いた漆黒の刀剣でゴウは難なく受け止めた。 そして逆にその僅かな硬直時間の間に斬撃を叩き込んで反撃する。 脇から別の陸士が穂先を突き刺さんと襲い掛かるも、銃弾の軌跡すら見切る動体視力と反射神経でそれをかわし、返す刃をがら空きの胴に打ち込み切り伏せる。 瞬く間に二人も戦闘不能にした男を見た隊員達は慄くが、部隊長らしき男が一喝して彼らを奮い立たせる。 「落ち着け!相手は一人だ、一度に数名で同時にかかれ!!後衛組は砲撃の準備をしろ!」 指示を聞き、三人の陸士がゴウの周りを囲む。近距離では敵わないと判断し、先ほど同様射撃魔法での遠距離戦に持ち込むつもりらしい。 だがそれを許すほど鈍いゴウではない。 標的を右前方の一人に定め、そいつに向かって左腕を向ける。 左腕の手甲は妙に大きな作りになっており、ただの装甲にしては不自然に見えた。 ──と、突然手甲の一部が開き、そこから魔力で結われたワイヤーが発射され、陸士の体に絡みついた。陸士は懸命に身を捩るが全く外れない。 そしてゴウはさながら荷物でも引き寄せるかのように思い切りそれを引っ張り、その隊員との距離を詰めた。いや、詰めさせたというべきか。 ブゥン、と、ゴウの握った刀の柄頭から魔力で出来た刃が伸びる。それを自分へ向けて飛んできた相手に対し、 ドシュッ そのどてっぱらへと刀身を深く沈めた。 相手の人体の急所を斬り、又は刺し、一撃で相手を絶命させる飛鳥流忍術の奥義、血祀殺法である。 敵が倒れるのを最後まで見届けることなく、刃を引き抜いたゴウは次の奴の元に早駆けで迫る。相手が反応を起こす前に延髄切りで意識を刈り取り、これで二人目。 完全に萎縮してしまっている三人目には手裏剣を連続投射し、逃げることもままならなかった男はハリネズミになってゆっくりと背後に崩れ落ちた。 鬼神の如きゴウの圧倒的な戦い振りに、部隊長は「バケモノめ!」と毒づく。 「だがもう遅い!砲撃隊、撃てェー!!」 倒れた三人が転送魔法で収容されたのを確認し、チャージさせておいた砲撃隊に一斉射撃を命じる部隊長。だが何故かゴウは防御どころか、避ける様子すら全然見せない。そしてさっきの倍以上の光の帯が放たれ、その場から動かないゴウを飲み込んだ。 残った隊員達は警戒を解かず、土煙が晴れるのを静かに待つ。やがて粉塵が風に飛ばされ、そこに倒れているゴウが視界に入ってきた瞬間、隊員達は歓声を上げた。 「やったぞ!」 「してやったぜ、ざまあ見やがれ!」 「浮かれるな!誰か近寄って容態を確認、手の空いてる者は本部に護送する準備をしておけ!」 部隊長の怒鳴り声で正気に戻った隊員達は慌てて指示に従う。部隊長はキビキビと僅かながら残った隊員に指示を下す。だがそんな彼の胸中にふとある疑念が生まれる。 (待てよ…何故奴は最後のあの砲撃を避けなかった?あれほどの機動が出来る者が動きもしないとは……ん?動かない?) 考えがそこまで至ったとき、無意識に彼の視線は倒れているゴウと、そこに近づく隊員達に向けられた。瞬間、彼が長年培ってきた陸士としての“カン”が警鐘を鳴らす。 「全員、そこから離れろぉぉぉぉ!!!」 声を嗄らしつくさんばかりの怒声を上げる部隊長。そして何事かと振り返る隊員達の足元で異変は起きた。 地に倒れ伏していたゴウの肉体が、まるで空気に溶けるかのように薄くなり始めたのだ。 隊員達が驚く間もなく、十秒もかからぬ内にそれは完全に消えうせる。 「魔力で作ったニセモノだ!本体はまだどこかn……」 カチッ 周囲を警戒するために踏み出した足元で、聞きなれない音がしたと思った瞬間、彼らの意識はそこで途絶えた。 鼓膜をブチ破るような轟音と、辺り一帯を吹き飛ばすほどの爆風が全てを包み込んだからだ。 「トラップか!畜生!」 みえみえの手に引っ掛かった自分に腹が立つが、今は状況の整理と対策が最優先だ。部隊長は背後で魔方陣の準備を行っていた隊員に指示を出すために振り返り── 「ごふっ…あぁ……」 ─その隊員の胸から光刃が生えているのを直視することになった。 光刃が抜き取られ、隊員が倒れるのと同時に何も無い筈の空間がゆがみ、静かにゴウの姿が顕わになった。 周りを見渡し、残っているのがさっきの指揮官のみだと判明すると、そのまま無言で相対する。 部隊長の方も覚悟を決めたのか、手にした大剣型のデバイスを正面に構える。静寂は一瞬、直後に剣戟の甲高い金属音が鳴り響いた。 右、左、回し蹴りの三段連撃をゴウは放つが、部隊長は刀身と片腕でそれを防御し、蹴りを出した際の隙を狙い反撃してくる。ゴウはバックステッップで回避し、着地と同時に手裏剣を乱射するが、またしても全弾撃ち落され、再度接近戦を挑まれる。 大型の剣が紡ぎだす一撃は重く、受け止める度に手に痺れが走った。このまま続ければ刀を弾き飛ばされるのがオチだ。 だがこの時、部隊長には大きな誤解と知らない事実があった。それはゴウがただの戦士ではなく、「忍」であったこと。 そして、忍の戦いの本領は真っ向勝負ではなく、左右や後ろからの“小狡い手”にあるということだった。 ガキィン、と一際大きくぶつかり合った後、ゴウはとんぼ返りをうって空中から何かを投げつけた。 「無駄だぁっ!」 例によってまた魔力弾か何かだと判断した部隊長は手にした剣で同じ用に叩き落そうとする。が、そんな時ゴウが小さく呟く。 「やはりな。さっきからのお前の戦い方から、“避ける”事は無いと思っていたよ」 その発言に危機感を覚えるも、ついた勢いはすでにとまらない。そして剣の刃がソレを切り裂いたとき、中から煙が勢いよく噴出した。 そしてその煙を空気と共に肺に達した瞬間、部隊長は足に力が入らなくなり、思わず片膝をついた。 「グッ!き、貴様何を…!」 「お前が吸い込んだのは『気絶玉』の煙だ。本来なら簡単に意識を奪える筈なんだがな。まぁどの道そのざまでは満足に動けんか」 あくまで淡々とした口調で話しながら徐々に近づいていくゴウ。今ので堕ちなかった為に、魔力刃による攻撃で仕留めるつもりのようだ。 「ぐぅぅぅ……管理局の…陸士部隊を…なめるなぁっ!!!」 最後の力で立ち上がり、間合いに入ったゴウに向けて部隊長は横なぎに剣を振るった。 しかしゴウはある程度予想していたのか、グッと一気に体を沈めて寸前で避けきり、髪の毛が少々持っていかれただけで済んだ。 次の瞬間、縮んだバネがもとに戻るかのように、全身の筋肉に溜め込んだ力を一気に解放し、その切っ先をあいての喉元に深く突き刺し、刺し貫いた。 「戒めろ。おまえの全てを」 「ゴハッ…ひ、卑怯者…が……」 かすれた声で喋る男の言い分を意に介さず、刀から出る魔力刃を消すと部隊長はドサッという音と共に倒れ、他の隊員同様転移魔法により光に包まれて消えていった。 ゴウが刀を腰の鞘に戻したところで、こちらも一通り片付けたのだろうヴォルケンリッターが降りてきた。 「ゴウ!」 「ん、シグナム、そっちも終わったのか」 「ああ、一通りは片付けた。にしても、何故お前がここにいる?そのデバイスは何なんだ?どこで魔法を?」 思いつく疑問を次々にぶつけてくるシグナム。 そりゃあ今の今までただの人間だと思っていた男が、突然デバイスと魔法の力を携えて自分達のピンチを救ったのだ。驚くなと言うほうが無理だ。ザフィーラとヴィータもそこは同様らしく、興味津々という顔をしている。 「あー、うむ。その件は一応説明するが、今はこの場所から撤退するべきだろう。追っ手が掛かる可能性が高いし、それに迎えも来たようだ」 そう言ったゴウが指差した先では、バリアジャケットに身を包んだ湖の騎士が今この場に降り立つところだった。 「みんな、大丈夫だった!?」 「シャマル」 「良かった、無事だったの……ってゴウさん!?やっぱりあれはゴウさんだったの?」 「待てシャマル、それはどういう意味だ」 「それが……」 「話は後にしろといってるだろ。シャマル、全員の転送を頼む」 「あっ、は、はい」 意味ありげな発言を聞きとがめるシグナムだったが、ゴウに止められおとなしく引っ込む。そして疲弊した皆の代わりにシャマルが転移魔法を発動させ、五人はその世界から姿を消した。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1242.html
魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~ 第七話「その日、機動六課。そして崩れ落ちる城(後編)」 「くぅっ・・・!!」 吹き飛ばされるノーヴェ。対峙するは武帝、豊臣秀吉。 すかさず立ち上がり拳を突き出すが秀吉の大きな手で防がれる。 「ふぅむ・・・中々の攻撃だ。しかし!」 反対側の腕で腹を殴る。また大きく吹き飛ばされるノーヴェ。 「ぐ・・・がはっ・・」 壁に叩きつけられ倒れこむ。そしてその横ではウェンディと戦っている忍、猿飛佐助の姿があった。 「よっ!とっ!はっ!」 「この・・・!ちょこまかと・・・!」 華麗な身のこなしでウェンディが放つ砲撃を回避していく佐助。 しかしその回避した先に魔力が込められた球が待ち構えていた。 「なぁにぃ~!?」 「とった!」 爆発する魔力。ウェンディは勝利を確信してガッツポーズをとった。 しかし、ウェンディの頭上から 「何をとったって?」 声がして佐助の手裏剣を肩にうける。すばやく距離を取るウェンディだが表情を見る限り何が起こったかわからないようだ。 忍術、空蝉の術 攻撃が当たる直前に姿を消して素早く相手の頭上に現れ、攻撃するという佐助が得意とする術の一つ。 次に手裏剣を腰に装着、低く構えて印を結ぶと影が立体化して回転しながらこちらへ向かってくる。 忍術、影当ての術。 自分の影を立体化させて相手へと突進させる高度な忍術の一つだ。 ウェンディはその一撃を受けてノーヴェの隣に吹き飛ぶ。 「これは・・・あたし達のほうが圧倒的に不利っすね・・・ぐ・・・」 「そうだな・・・ちっ・・退くしかねぇか・・。」 そういうとウェンディが砲撃。秀吉が防ぐとあたりにすさまじい爆風が起こる。 爆風が止んだときには少女二人の姿はなかった。 「逃げられたか・・・。しかし佐助よ。どうしてあの者達の味方をした?」 「いやだってあんな触手に絡めとられてた美少女を人質だーって言われてたら助けるしかないでしょー!」 そう言って秀吉の背中をバシバシ叩く佐助。佐助の冗談を聞き流す秀吉。 「さて、この世界はどうやら戦国の世ではないようだな。」 「しかも多分臭いからして地下だぜこれ?とっとと上行こうぜ。」 「うむ。」 二人の武将は地上に出るべく走り出した。 そして、その頃、スターズ部隊は・・ 「あ・・・あ・・・あ・・・」 蒼髪の少女、スバルは絶望に飲まれた。 異様な邪気を出して佇む銀色の鎧に身を包む男。 その手には血まみれになり、意識を失って頭を掴まれた姉・ギンガの姿があった。 「ふん・・・また虫が来たか・・・。」 ギンガを放り投げる。その先には隻眼の少女、チンク。 「の・・・信長・・・これは少しやりすぎではないのか・・・?」 「黙れ。さっさとそいつを連れて戻るがよい。カラクリ人形めが。」 「くっ・・・」 ギンガを大きめのアタッシュケースに入れ、奥へと撤退するチンク。 だが、その顔には怒りがあらわになっていた。それは自分をカラクリと呼ばれたことではなく、「信長」という男に対してだった。 「あいつは・・・本当に人なのか・・・!?味方とはいえ・・・あいつのやり方には腹が立つ・・・!」 「うぁ・・かえせぇぇぇぇぇぇ!!」 目を金色に輝かせ、蒼い魔力を発しながら信長へと向かうスバル。 だが剣に防がれ、押され始める。 「く・・・ぅ・・・う・・・」 その目には涙を浮かべていた。 「ふん・・・虫けらめが。この第六天魔王に刃向かうか・・・。」 軽くあしらい、右肩へと剣を振り下ろす。 切り裂かれた箇所からは大量に血が出て、スバルは激痛で倒れこむ。 「うあぁぁあぁぁぁあ・・・・!!」 さらに信長は左手に持っていたショットガンでスバルの左足、そしてマッハキャリバーを打ち抜く。 「あぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁっ!!!」 顔は激痛で歪み、目からは涙がとめどなく溢れる。 信長はスバルの腹を踏み、頭に銃口を向ける。 「・・・この織田信長に刃向かった罪、死して償え。」 「い・・・いや・・・・いやぁ・・・!」 刹那、銃口が響くことはなかった。 突然飛んできた手裏剣でショットガンが弾き飛ばされたからだ。 手裏剣は一つ、また一つと増えていく。信長はそれを回避。 そして影がひとつ、走りぬけながら手裏剣を投げる。信長はそれを剣で弾き落としながらバックステップ。 影はスバルの前に止まるとその姿を現した。 白と黒を強調させた着物、背中に背負う忍者刀二本。それは病室にいたはずの伝説の忍、風魔小太郎。 「本当の・・・風魔・・・さん・・?」 風魔がふと振り返ると、口の端をほんのわずかだが、つり上げた。右肩にはまだ包帯が。 自分の怪我そっちのけでスバルを助けに来た。借りを返しに。 そして魔王、織田信長の方へと向くと忍者刀を構えた。しかし相手はあの魔王。自分は負傷。圧倒的不利だ。 信長がマントをはためかせて邪気を塊にして放つ。 当たる直前、忍と少女の姿は消えていた。 「うつけが・・・。」 「・・・・」 「・・・・」 ここは先ほどスバルが通ってきた通路。そこにスバルと、風魔はいた。 「守れなかった・・・ギン姉が・・・つれてかれちゃったよ・・・」 目から零れる雫。それはスバルが流した涙。拳を握り締める。 風魔はただ見ているだけしかできない。 「あたし・・守れなかったよ・・風魔さん・・・風魔さん・・・!!」 今にも正気を失いそうなスバルを風魔は抱きかかえ、歩き出す。スバルは泣くのをやめて、自分を抱きかかえた者の顔を見る。 「え・・?」 「・・・・・」 風魔はただ歩く。自分がもし、喋れたとして、このことを喋ったら腕の中の儚い少女は崩れ去るだろう。 だから言葉があっても言おうとは思わない。六課本部が襲われていること、自分は忠勝に任せ、ここまで来たこと。そして小さな妖精を抱え、泣き叫ぶ真紅の少女を見たことを。 決して、言えなかった。二人は後になのは、ティアナと合流し、ともに外に出ることになる。 一方、ロングアーチの連絡を受け、六課に戻るべく急いでいたエリオ、キャロ、フリード、フェイトのライトニング部隊。 その途中で二体の戦闘機人の襲撃を受け、エリオ達を先に行かせて一人で応戦しているフェイト。 「さすがに・・強い・・・」 フェイトはザンバーフォームにしたバルディッシュを構えて呟く。目の前には戦闘機人、トーレとセッテ。 そこに、新たなる乱入者が。 「イェア!!」 突然飛んできたのは巨大な錨の先端。 トーレはそれをインパルスブレードで弾く。戻っていく先端。 その先には海に浮かぶガジェットドローンの残骸の上に立つ鬼ヶ島の鬼の姿があった。 「おうおうおう、人ん家を荒らしておいて挨拶もなしかぃ?」 鬼、元親は唾を吐き捨てると錨をトーレとセッテに向ける。 「よーし、オメェら二人、どっちが強い?強いほうは俺と戦いやがれ!!」 「上等だ!!」 元親の挑戦を受けてトーレは向かう。接近しても無防備な元親の腹に拳の一撃を喰らわせる。 が、吹き飛びもせずその場で立っていた。 「ゴホッ・・・中々いいパンチじゃねぇか。気に入ったぜ。」 元親もトーレにボディーブローを放つ。 「グハッ・・・お前も・・・やるじゃないか!」 互いに離れ距離を取る。そしてまた錨とインパルスブレードのぶつかり合い。その上空ではセッテとフェイトが戦闘を繰り広げていた。 「はぁぁぁぁぁぁ!!」 「くっ!!」 バルディッシュを振るいセッテに切りかかる。セッテも負けじとブーメランブレードで切りかかる。 ぶつかり合った二つの刃からは火花が散る。 しかし、トーレとセッテは後ろへと飛び退き、並んだ。 「今回は時間なのでこれで引き上げます・・が。次に会ったときは・・・貴方達は勝てませんよ?」 そういうと二人は消えた。元親は別に追う動作はせず、錨の上に乗る。 「チッ、そんなに始めてから時間経ってねぇのによ・・・。気に食わねぇ・・・戻るぞ。」 「あ、待って!貴方は!?」 錨の上に乗ってサーフィンの如く海上を走る元親と空を飛ぶフェイトは、六課本部へと戻った。 一方、六課本部。 「・・・すごいね。一人でここまでやるなんて。」 戦闘機人、オットーとディードが見下げて眺めるは装甲が砕け、煤だらけで間接のあちこちから電流が流れる本多忠勝の姿があった。 忠勝の周りには粉砕された幾千のガジェットドローン。 忠勝は機械音を唸らせて立ち上がり、槍を構える。 「正直・・・驚いたけど・・・ここまでだね。IS発動。レイストーム。」 オットーの周りから緑色の砲撃が放たれる。それは数本から一本になり、大きさを増した。 一方の忠勝は背中の紋章から盾を二枚出して腕に装着、両腕を交差させる。 忠勝、防御形態。 次第に溶けていく盾。その直後に爆発。 「さて・・あとは・・・何?」 爆風の中から出てきたのは上半身の左半分を消滅させながらもなお機動し続けている黒の巨人。 オットーもさすがに目を見開く。 次にディードが飛び出す。 「IS発動、ツインブレイズ。」 その一撃は、右手だけで掴んだ槍で防御された。次第に押していく忠勝。最後には完全に押し返してディードを吹き飛ばした。 吹き飛ぶディードをすかさず受け止めるオットー。 またレイストームを発動させる。今度はロケットを点火して上空へ逃げる忠勝。しかし後ろから接近してきたディードのツインブレイズで紋章を斬られ、落下。 これで本多忠勝の大半の形態は使えなくなる。ということだ。 「さて、注意を向けてくれてありがとう。」 二人は横を見る。忠勝もその方向を向くと倒れているシャマルとザフィーラ。そして紫の少女が連れた謎の黒い人影に抱えられているヴィヴィオ。 忠勝は手を伸ばすが足が動かない。 そのまま消え去ってしまったオットー、ディード、そして謎の黒い人影と紫の髪の少女。 残されたのは大量のガジェットドローン。 それでも忠勝は諦めなかった。勢いよくジャンプして槍を前方に構える。例え紋章を失ってもなれる形態が一つある。 槍に内蔵されたロケットを点火。そのままガジェットドローンの群れへと突進する。 忠勝、突進形態。 戦国最強と呼ばれた巨人の姿は巨大な爆風の中へと、消えた。 キャロとエリオが着いた時には、遅かった。 燃え盛る六課本部。 そして、本多忠勝が背中に装着していた紋章。その紋章は、ところどころへこみ、二つの切り裂かれた跡があった。 「・・・ただ・・かつ・・さ・・ん・・忠勝・・・さん・・・。」 目に涙を浮かべるキャロ。そしてまた接近してくるガジェットドローン。 キャロは何かを呟きながら立ち上がる。そして天空に向かって、叫んだ。 「ヴォルテーーーーーーーーールッ!!」 そして、夜空の下、ガジェットドローンを一掃した巨大な竜の姿があった。 その咆哮は、どこか悲しそうに聞こえた。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/180.html
ヴァイスサイド 魔法少女リリカルなのはStrikerSカードリスト ブースター エクストラパック トライアルデッキ プロモーションカード 総評 ブースター 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 NS/W04-001 キャラ RR SR 黄 キャロ・ル・ルシエ 1/1 5000/1/1 《魔法》? 《竜》? NS/W04-002 キャラ RR SR 黄 “真ソニックフォーム”フェイト 2/2 7500/2/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-003 キャラ R 黄 槍騎士見習いエリオ 0/0 1500/1/0 《魔法》? 《武器》? NS/W04-004 キャラ R 黄 竜召喚士キャロ 0/0 500/1/0 《魔法》? 《竜》? NS/W04-005 キャラ R 黄 キャロ&フリードリヒ 1/0 5000/1/0 《魔法》? 《竜》? NS/W04-006 キャラ R RRR 黄 なのは&フェイト 2/1 6000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-007 キャラ U 黄 使い魔アルフ 0/0 500/1/0 《使い魔》? 《魔法》? NS/W04-008 キャラ U 黄 エリオ・モンディアル 1/1 2000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-009 キャラ U 黄 金の閃光フェイト 1/1 2500/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-010 キャラ U 黄 烈火の将シグナム 2/2 8000/2/1 《魔法》? 《ユニゾン》? NS/W04-011 キャラ U 黄 キャロ&ヴォルテール 3/2 10000/2/1 《魔法》? 《竜》? NS/W04-012 キャラ C 黄 二児の母エイミィ 0/0 1500/1/0 《特徴なし》? NS/W04-013 キャラ C 黄 フェイト&アルフ 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《使い魔》? NS/W04-014 キャラ C 黄 副隊長シグナム 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《武器》? NS/W04-015 キャラ C 黄 総務統括官リンディ 0/0 500/1/0 《魔法》? NS/W04-016 キャラ C 黄 クラウディア艦長クロノ 1/0 500/1/0 《魔法》? NS/W04-017 キャラ C 黄 シグナム&リイン 1/1 6000/1/1 《魔法》? 《ユニゾン》? NS/W04-018 キャラ C 黄 エリオ&キャロ 2/1 8500/1/1 《魔法》? 《竜》? NS/W04-019 イベント R 黄 早朝訓練 2/0 EV NS/W04-020 イベント U 黄 Fの遺産 1/0 EV NS/W04-021 イベント U 黄 ちょっと一工夫してまして 1/1 EV NS/W04-022 イベント C 黄 着地失敗 2/0 EV NS/W04-023 クライマックス CR 黄 迷いが晴れた時 CX 2 NS/W04-024 クライマックス CC SP 黄 龍騎招来 CX 1・風 NS/W04-025 クライマックス CC 黄 火龍・一閃!! CX 2 NS/W04-026 キャラ RR SR 緑 センターガード ティアナ 1/0 3000/1/0 《魔法》? 《武器》? NS/W04-027 キャラ RR SR 緑 フロントアタッカー スバル 2/2 8500/2/1 《魔法》? 《メカ》? NS/W04-028 キャラ R 緑 スバル・ナカジマ 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《メカ》? NS/W04-029 キャラ R 緑 ルーテシア・アルピーノ 1/0 3500/1/0 《魔法》? 《メカ》? NS/W04-030 キャラ R 緑 スカリエッティの秘書ウーノ 1/1 3500/1/1 《メカ》? 《秘書》? NS/W04-031 キャラ R 緑 ギンガ・ナカジマ 2/1 8000/1/1 《魔法》? 《メカ》? NS/W04-032 キャラ U 緑 ゲンヤ・ナカジマ 0/0 500/1/0 《特徴なし》? NS/W04-033 キャラ U 緑 刃舞う爆撃手チンク 0/0 2500/1/0 《メカ》? 《眼帯》? NS/W04-034 キャラ U 緑 無限書庫司書長ユーノ 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《本》? NS/W04-035 キャラ U 緑 なのは&スバル 1/0 3500/1/0 《魔法》? 《メカ》? NS/W04-036 キャラ U RRR 緑 スバル&ティアナ 3/2 8500/2/1 《魔法》? 《メカ》? NS/W04-037 キャラ C 緑 メカニックマイスターマリエル 0/0 500/1/0 《メガネ》? NS/W04-038 キャラ C 緑 ティアナ・ランスター 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《武器》? NS/W04-039 キャラ C 緑 狙撃する砲手ディエチ 0/0 2000/1/0 《メカ》? 《武器》? NS/W04-040 キャラ C 緑 オットー&ディード 1/1 5500/1/1 《メカ》? 《武器》? NS/W04-041 キャラ C 緑 キャリバーズ スバル&ギンガ 1/0 4500/1/0 《魔法》? 《メカ》? NS/W04-042 キャラ C 緑 ルーテシア&白天王 2/2 9000/2/1 《魔法》? 《竜》? NS/W04-043 キャラ C 緑 ノーヴェ&ウェンディ 2/1 2500/1/1 《メカ》? 《盾》? NS/W04-044 イベント R 緑 ひとりぼっちはいやだ! 2/4 EV NS/W04-045 イベント U 緑 勝手にすれば? 2/1 EV NS/W04-046 イベント U 緑 ウィングロード 2/1 EV NS/W04-047 イベント C 緑 『練習通りです』 1/1 EV NS/W04-048 クライマックス CR 緑 最後の模擬戦 CX 袋 NS/W04-049 クライマックス CC SP 緑 ディバインバスター CX 2 NS/W04-050 クライマックス CC 緑 助けに来ました! CX 2 NS/W04-051 キャラ RR SR 赤 ヴィヴィオ 0/0 2000/1/0 《オッドアイ》? 《王族》? NS/W04-052 キャラ RR RRR 赤 “エース・オブ・エース”なのは 2/1 8000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-053 キャラ R 赤 高町ヴィヴィオ 0/0 1000/1/0 《オッドアイ》? 《王族》? NS/W04-054 キャラ R 赤 幻惑の使い手クアットロ 1/1 3500/1/1 《メカ》? 《メガネ》? NS/W04-055 キャラ R 赤 次元犯罪者スカリエッティ 2/1 7000/1/1 《科学》? NS/W04-056 キャラ R SR 赤 鉄槌の騎士ヴィータ 2/1 5000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-057 キャラ U 赤 戦闘教官ヴィータ 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《武器》? NS/W04-058 キャラ U 赤 烈火の剣精アギト 0/0 500/1/0 《魔法》? 《ユニゾン》? NS/W04-059 キャラ U 赤 放浪の騎士ゼスト 1/1 2000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-060 キャラ U 赤 高町なのは 1/1 5500/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-061 キャラ U 赤 聖王ヴィヴィオ 3/2 10000/2/1 《魔法》? 《王族》? NS/W04-062 キャラ C 赤 姿偽る諜報者ドゥーエ 0/0 2000/1/0 《メカ》? 《秘書》? NS/W04-063 キャラ C 赤 潜行する密偵セイン 0/0 2500/1/0 《メカ》? NS/W04-064 キャラ C 赤 戦技教導官なのは 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《武器》? NS/W04-065 キャラ C 赤 トーレ&セッテ 1/1 6000/1/1 《メカ》? 《武器》? NS/W04-066 キャラ C 赤 なのは&ヴィヴィオ 1/0 5000/1/0 《オッドアイ》? 《魔法》? NS/W04-067 キャラ C 赤 なのは&ヴィータ 1/1 5000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-068 キャラ C 赤 ゼスト・グランガイツ 2/2 9000/2/1 《魔法》? 《ユニゾン》? NS/W04-069 イベント R 赤 WAS 2/1 EV NS/W04-070 イベント U 赤 シルバーカーテン 1/2 EV NS/W04-071 イベント U 赤 ユニゾンイン 2/0 EV NS/W04-072 イベント C 赤 ママ、いい子 1/2 EV NS/W04-073 クライマックス CR SP 赤 スターライトブレイカー CX 2 NS/W04-074 クライマックス CC 赤 ぶち抜けー! CX 扉 NS/W04-075 クライマックス CC 赤 ママと約束ね CX 2 NS/W04-076 キャラ RR SR 青 “祝福の風”リインフォースⅡ 1/0 500/1/0 《魔法》? 《ユニゾン》? NS/W04-077 キャラ RR SR 青 はやて&リイン 3/2 8000/2/1 《魔法》? 《ユニゾン》? NS/W04-078 キャラ R 青 風の癒し手シャマル 0/0 500/1/0 《魔法》? NS/W04-079 キャラ R 青 カリム・グラシア 1/0 5000/1/0 《魔法》? 《神》? NS/W04-080 キャラ R 青 守護騎士シャマル&守護獣ザフィーラ 2/1 4500/1/1 《魔法》? 《使い魔》? NS/W04-081 キャラ R RRR 青 “最後の夜天の主”はやて 2/2 8000/2/1 《魔法》? 《本》? NS/W04-082 キャラ U 青 メカニックデザイナーシャリオ 0/0 500/1/0 《メガネ》? NS/W04-083 キャラ U 青 通信士アルト&ルキノ 0/0 1000/1/0 《特徴なし》? NS/W04-084 キャラ U 青 リインフォースⅡ 0/0 1000/1/0 《魔法》? 《ユニゾン》? NS/W04-085 キャラ U 青 猛き守護獣ザフィーラ 1/0 4500/1/0 《魔法》? 《使い魔》? NS/W04-086 キャラ U 青 ヴェロッサ&シャッハ 2/2 9000/2/1 《魔法》? 《秘書》? NS/W04-087 キャラ C 青 ラグナ・グランセニック 0/0 2500/1/0 《特徴なし》? NS/W04-088 キャラ C 青 八神はやて 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《本》? NS/W04-089 キャラ C 青 グリフィス・ロウラン 0/0 1000/1/0 《メガネ》? NS/W04-090 キャラ C 青 狙撃手ヴァイス 1/1 2000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-091 キャラ C 青 査察官ヴェロッサ 1/1 1000/1/1 《魔法》? NS/W04-092 キャラ C 青 シャッハ・ヌエラ 1/1 6000/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-093 キャラ C 青 修道女シャッハ 2/1 7500/1/1 《魔法》? 《武器》? NS/W04-094 イベント R 青 協力してくれへんかな? 1/1 EV NS/W04-095 イベント U 青 アルトの誓い 1/2 EV NS/W04-096 イベント U 青 守るべきもの 2/4 EV NS/W04-097 イベント C 青 預言者の著書 2/2 EV NS/W04-098 クライマックス CR SP 青 フレースヴェルグ CX 本 NS/W04-099 クライマックス CC 青 砕けないものなんて CX 2 NS/W04-100 クライマックス CC 青 限定解除 CX 2 エクストラパック エクストラパック 魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 N1/WE06-01 キャラ R 黄 代わりの人形フェイト 0/0 4000/1/0 《魔法》? 《クローン》? N1/WE06-02 キャラ R 黄 対等のパートナー アルフ 1/0 3000/1/0 《使い魔》? 《動物》? N1/WE06-03 キャラ R 黄 もうひとりの魔法少女フェイト 1/1 5000/1/1 《魔法》? 《クローン》? N1/WE06-04 キャラ R 黄 失われた過去プレシア 2/1 3500/1/1 《魔法》? 《病気》? N1/WE06-05 キャラ C 黄 プレシア・テスタロッサ 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《病気》? N1/WE06-06 キャラ C 黄 教育係リニス 0/0 2500/1/0 《使い魔》? 《動物》? N1/WE06-07 キャラ C 黄 ひたすらに一途フェイト 1/0 5500/1/0 《魔法》? 《クローン》? N1/WE06-08 キャラ C 黄 狼形態アルフ 2/1 6000/1/1 《使い魔》? 《動物》? N1/WE06-09 キャラ C 黄 母を想うフェイト 2/2 7000/2/1 《魔法》? 《クローン》? N1/WE06-10 クライマックス C 黄 ファランクスシフト CX 2 N1/WE06-11 キャラ R 緑 意地っ張りアリサ 0/0 1000/1/0 《動物》? N1/WE06-12 キャラ R 緑 自分の意思なのは 2/2 8500/2/1 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-13 キャラ C 緑 月村 すずか 0/0 500/1/0 《動物》? N1/WE06-14 キャラ C 緑 敏腕オペレータ エイミィ 0/0 1500/1/0 《特徴なし》? N1/WE06-15 キャラ C 緑 優しい少女すずか 1/0 1500/1/0 《動物》? N1/WE06-16 キャラ C 緑 アリサ・バニングス 1/0 4500/1/0 《動物》? N1/WE06-17 キャラ C 緑 時空管理局提督リンディ 1/0 5000/1/0 《魔法》? 《お茶》? N1/WE06-18 キャラ C 緑 アースラの切り札クロノ 2/1 8000/1/1 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-19 キャラ R 赤 信じた思い なのは 1/1 5500/1/1 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-20 キャラ R 赤 全力全開なのは 2/2 8000/2/1 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-21 キャラ R 赤 分け合う気持ち なのは&フェイト 3/2 10000/2/1 《魔法》? 《クローン》? N1/WE06-22 キャラ C 赤 制服のなのは 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-23 キャラ C 赤 フェレット形態ユーノ 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《動物》? N1/WE06-24 キャラ C 赤 魔法の資質なのは 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-25 キャラ C 赤 結界魔導師ユーノ 1/0 1500/1/0 《魔法》? 《動物》? N1/WE06-26 クライマックス C 赤 ディバインバスター CX 2 N1/WE06-27 クライマックス C 赤 スターライトブレイカー CX 扉 トライアルデッキ 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 封入数 NS/W04-T01 キャラ TD 黄 使い魔アルフ 0/0 500/1/0 《使い魔》? 《魔法》? 2 NS/W04-T02 キャラ TD 黄 フェイト&アルフ 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《使い魔》? 4 NS/W04-T03 キャラ TD 黄 副隊長シグナム 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《武器》? 4 NS/W04-T04 キャラ TD 黄 エリオ・モンディアル 1/1 2000/1/1 《魔法》? 《武器》? 2 NS/W04-T05 キャラ TD 黄 金の閃光フェイト 1/1 2500/1/1 《魔法》? 《武器》? 2 NS/W04-T06 キャラ TD 黄 エリオ&キャロ 2/1 8500/1/1 《魔法》? 《竜》? 2 NS/W04-T07 キャラ TD 黄 烈火の将シグナム 2/2 8000/2/1 《魔法》? 《ユニゾン》? 2 NS/W04-T08 イベント TD 黄 着地失敗 2/0 EV 2 NS/W04-T09 クライマックス TD 黄 火龍・一閃!! CX 2 4 NS/W04-T10 キャラ TD 赤 戦闘教官ヴィータ 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《武器》? 2 NS/W04-T11 キャラ TD 赤 烈火の剣精アギト 0/0 500/1/0 《魔法》? 《ユニゾン》? 2 NS/W04-T12 キャラ TD 赤 戦技教導官なのは 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《武器》? 4 NS/W04-T13 キャラ TD 赤 なのは&ヴィヴィオ 1/0 5000/1/0 《オッドアイ》? 《魔法》? 4 NS/W04-T14 キャラ TD 赤 放浪の騎士ゼスト 1/1 2000/1/1 《魔法》? 《武器》? 2 NS/W04-T15 キャラ TD 赤 なのは&ヴィータ 1/1 5000/1/1 《魔法》? 《武器》? 2 NS/W04-T16 キャラ TD 赤 ゼスト・グランガイツ 2/2 9000/2/1 《魔法》? 《ユニゾン》? 2 NS/W04-T17 イベント TD 赤 ママ、いい子 1/2 EV 2 NS/W04-T18 クライマックス TD 赤 ママと約束ね CX 2 4 NS/W04-101 キャラ TD 黄 なのは&フェイト&はやて 2/1 8000/1/1 《魔法》? 《武器》? 1 NS/W04-102 キャラ TD 赤 二人のママ 1/1 5000/1/1 《魔法》? 《武器》? 1 プロモーションカード 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 NS/W04-103 キャラ PR 青 八神家の一員 1/1 5000/1/1 《魔法》? 《本》? NS/W04-104 キャラ PR 赤 空を舞うなのは&フェイト 2/1 2500/1/1 《魔法》? NS/W04-105 キャラ PR 赤 高町一等空尉 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《ドレス》? NS/W04-106 キャラ PR 黄 フェイト・T・ハラオウン執務官 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《ドレス》? NS/W04-107 キャラ PR 青 八神機動六課部隊長 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《ドレス》? NS/W04-108 キャラ PR 赤 空戦魔導師 高町なのは25歳 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《武器》? NS/W04-109 キャラ PR 赤 高町一等空尉 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《ドレス》? NS/W04-110 キャラ PR 黄 フェイト・T・ハラオウン執務官 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《ドレス》? NS/W04-111 キャラ PR 青 八神機動六課部隊長 0/0 2000/1/0 《魔法》? 《ドレス》? N1/WE06-28 キャラ PR 赤 バリアジャケットなのは 1/1 5500/1/1 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-29 キャラ PR 黄 戦闘態勢フェイト 1/0 6500/1/0 《魔法》? 《クローン》? N1/WE06-30 キャラ PR 赤 想いを貫く意志なのは 1/1 6000/1/1 《魔法》? 《武器》? N1/WE06-31 キャラ PR 黄 無謀な封印フェイト 2/1 8000/1/1 《魔法》? 《クローン》? N1/WE06-32 キャラ PR 黄 アリシア・テスタロッサ 0/0 1500/1/0 《特徴なし》? N1/WPR-001 キャラ PR 赤 魔法少女 なのは&フェイト 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《武器》? N1/WPR-002 キャラ PR 赤 譲れない想い なのは&フェイト 1/0 4500/1/0 《魔法》? 《武器》? NV/WPR-003 キャラ PR 赤 初等科4年生ヴィヴィオ 0/0 2500/1/0 《オッドアイ》? 《王族》? 余談だが、「Strikers」「A s」のみ、トライアルデッキ・ブースターに原作であるアニメのイラストを一切使用しておらず、全てのカードがイラストレーター任せとなっている。(PRを除く) EXパック「MOVIE 1st」にて、待望の原作絵が収録された。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3214.html
《ミッドチルダに住む人々よ!今この地は未曾有の危機に直面しておる!!》 《先日起きた地下水路崩壊も然り!そして諸君らの記憶にも新しいアグスタ襲撃も然りじゃ!!》 《これらはガジェット及び不死者と、それらを造った者達の手によって引き起こされた事なのである!!》 《そしてアグスタ襲撃事件の際、我々管理局は最大の策を投じたにも関わらず敗れた!!》 《即ち!このままでは我々の滅亡は必死であろう!ならば我々はこの滅亡の危機を運命として受け入れなくてはならぬのか?》 《否!断じて否!!我々管理局はこの未曾有の危機に対し、新たな策を投じた!それが彼らエインフェリアである!!》 《彼らエインフェリアは人型のデバイスである!その姿形に人型兵器と思う者達も多いであろう……》 《しかし!!彼等はこのミッドチルダの魔導技術の粋を集め造られた存在!決して質量兵器などではない!!!》 《その証拠に見よ!彼らの勇姿を!!この映像は先日起きた地下水路崩壊の際に撮られた物である!》 《彼等は魔法を用いて!たった二体の手により、この複数存在するガジェット及び不死者の群れの悉くを殲滅させたのである!!》 《即ち彼等こそが、未曽有の危機に対する対抗手段なのじゃ!!》 《そして我々管理局はこのエインフェリアを量産する用意がある!その名も…アインヘリアル計画である!!》 《この計画が実行に移れば、もうこのような幼い子供にデバイスを持たせる必要は無くなるのだ!!》 《聞け諸君よ!彼等エインフェリアは弱き者を守る盾であり、強き者を挫く剣なのである!!》 《今!我々に必要な物は未曾有の危機を脱する力なのだ!その力は今まさに此処に存在しておるのじゃ!!!》 リリカルプロファイル 第二十話 陳述会 ガノッサ提督による演説は二時間にも及び、モニターにはエインフェリアの姿が映し出され、その中にはクロノ提督の姿も存在していた。 そして…その演説を冷ややかな目線を送り見つめるレジアス。 「いよいよ始めたか…ワシも急がねばならんな……」 そう一言呟くとモニターを切り、一人黙々と何かを打ち込む作業を始めるレジアスであった。 …一方此処は機動六課に存在する会議室、この部屋は防音機能が完備されており、外部に情報が漏れない造りになっている。 その部屋に、はやてとゲンヤそしてギンガの姿があった、目的は先日行われた共同戦線の情報交換を行う為である。 それぞれ情報を交換する中、はやては写真が貼られた資料をゲンヤに渡すと、黙って受け取り目を通す。 写真には後ろ髪を結った茶髪の少女の顔とその少女が持っていた無反動砲が写っており、資料の内容は少女が持っていた銃についてであった。 銃の名は表面上に書かれており、イノーメスカノンという。 解析の結果、命中精度・威力などが非常に高く多種多様な弾丸を撃ち出すことが出来ると、 だがその重さは尋常ではなく、とてもではないが写真に写る少女が持ち運び出来る代物ではないと綴られていた。 その内容に沈黙するゲンヤ、その表情に既に確信にも似た表情で話しかけるはやて。 「やっぱり…彼女達は……」 「あぁ、戦闘機人だ……」 ゲンヤの言葉に俯くギンガ、そしてはやては自分の考え出した答えが正しかったといった表情を見せる。 するとはやては失礼ながらゲンヤの妻、つまりギンガの母の事を調べたと話し始める。 …ゲンヤの妻、クイントは戦闘機人に関する調査を行い、その後原因不明の事故により死亡した。 そしてクイントの意志を引き継いだゲンヤが戦闘機人に関する情報を集めている事を掴んだと話す。 しかし当のゲンヤは自らの仕事が忙しく、中々情報を集められてはいない状況であった。 そこで今回の事件を機に、はやてが代わりに戦闘機人の情報を集めると提案、その為今まで得た情報を引き渡して欲しいと頼み込む。 するとゲンヤは目を閉じ腕を組み考え込む、その後暫くして目を開き、口がゆっくりと動き出す。 「…悪いがそれは出来ねぇな、事は戦闘機人だけの問題じゃあ無いんでな」 ゲンヤの答えに困惑するはやて、事は戦闘機人だけでは無い? …それはどういう事か再度聞いてみるがゲンヤは一切答える事は無かった。 暫く静寂が部屋を包むと呆れた様子でため息を吐くはやて、その顔は諦めに似た様子を表していた。 「…分かりました、戦闘機人の件は諦めます、そん代わり……」 「あぁ、連絡役も兼ねてギンガの機動六課への出向を許可しよう」 機動六課が掴んだ戦闘機人の情報をギンガというパイプラインによってゲンヤに伝える、 その為の出向でもある今回の申し出に応えたゲンヤは、ギンガと共に席を立ち会議室を後にする。 一人会議室に残されたはやては大きくため息を吐くと、流石自分の師匠なだけあって一度決めた事に対してガンとして動かないな…と思うであった。 一方ゲンヤと共に機動六課の通路を歩いていると突然ギンガが質問を投げかける。 「何故はやて二佐の申し出を断ったんです?」 「…クイントと同じ轍を踏ませない為に……だな」 その意味深な言葉に首を傾げるギンガだが、ゲンヤの目は遠く何かを見つめているようであった。 その頃なのははシグナムが運転するワゴン車に同乗していた、その理由は先日保護した少女が眠る聖王医療院に向かう為だ。 そしてシグナムもまた聖王教会に用があるらしく、次いでに乗せて貰っているのだ。 そしてなのはは、ワゴン車をマジマジと観察していると、ふと質問をかける。 「このワゴン車…シグナムさんの車なんですか?」 「あぁ、渋いだろう?」 シグナムの含み笑いにになのはは頬を掻く、話によると聖王教会にいた頃、 食事の配給などの仕事が多くあった為、沢山の荷物を運べるという理由で購入したと話す。 そんなシグナムの話を聞いているうちに聖王医療院に着くと、なのははシグナムと別れの挨拶を交わし医療院へと足を運ぶ。 医療院内ではシャッハが出迎えており、なのはは保護した少女の詳細を聞くとシャッハは快く応える。 保護した少女は人工生命体でフェイトやエリオと同じ境遇であると。 故に現場に残されていた生体ポットの中身の可能性がかなり高く、周りのガジェットが破壊されていた事から危険性があると指摘されていると。 そんな内容を通路を歩きながら聞きつつシャッハと共に少女が眠る部屋へ赴くと、其処はものけの殻であった。 シャッハは驚き開いている窓を覗くと、対象の少女が外へ出ようと走っており、 シャッハは窓から飛び降りるとデバイスを起動させ少女の前を塞ぎヴィンデルシャフトを構える。 少女は目の前に現れたシャッハに驚き、しりもちをつくと――― 「ふ………ふえええぇぇぇぇぇぇん!!!!」 「えっ?…………えぇ!?」 少女の泣き声に思わず戸惑うシャッハ、すると入り口からシャッハを追っていたなのはが姿を現し、少女を慰める。 そして病室を抜け出した理由を聞くと母親を探す為に抜け出したと、ぐずりながら話す少女。 少女は人工生命体である、母親など存在するハズがない、その記憶は元の遺伝子が持っていた記憶なのかもしれない。 しかしそんな素振りを一切見せず、なのはは少女の目線に合わせ見つめる。 「お名前いえるかな?」 「ヴィヴィオ……」 ヴィヴィオはそう名乗ると、なのははヴィヴィオの母親が見つかるまで自分が母親代わりになると約束を交わす。 するとヴィヴィオは、「なのは…ママ?」と恐る恐る口にすると笑みを浮かべ答えるなのは、 そのやりとりが何度も続くとヴィヴィオはすっかり泣き止み、その光景を見て唖然としているシャッハ。 するとシャッハの後ろで聞き慣れた声が響き、振り返ると其処にはアリューゼの姿があった。 「あっアリューゼ!?いつからそこに!?」 「…デバイスを起動させて、そのガキに向けているところからだな」 つまり一部始終見られていた事であり、顔を真っ赤に染めるシャッハに対し呆れた様子を見せるアリューゼであった。 それから数日後、ヴィヴィオはすっかりなのはに懐き、そのまま機動六課で面倒を見る事となった。 だがその代わり定期的に聖王医療院にて検査を行うという条件付きであるが。 そして今日はなのは、フェイト、はやての三人で聖王教会に赴いていた、その理由とはなのはとフェイトに機動六課の真の目的を伝えられる為だ。 三人は教会内に存在する会議室に赴くと三人は敬礼を行う、会議室にはカリムを中心に右の席にクロノが座っており はやてはクロノの隣の席、なのはとフェイトは左の席を順に座ると、クロノは早速説明を始める。 機動六課…いやかつての六課はカリムのレアスキル、プロフェーティン・シュリフテンによってもたらされた預言に描かれた、 ミッド滅亡を阻止する為に組織された部隊で、それは今も変わっていないと話す。 そして預言の内容を二人に告げると沈黙し、沈痛な面持ちを醸し出していた。 「取り敢えず今後は、中つ大地の奉の剣であるエインフェリアと、法の塔である地上本部を壊滅させない事だな」 今回の件でクロノは奉の剣をアインヘリアル計画の事と判断していると、するとはやてが質問を投げ掛けてきた。 「でも…あのエインフェリアって何なん?ただもんとちゃうのは分かるんやけども…」 「ガノッサ提督が説明していただろう、あれは人型デバイスだ」 命令を絶対に従う忠実なる存在、その姿はまさに奉公の剣であると。 そのエインフェリアの量産計画、アインへリアル計画の是非を問う公開意見陳述会が近く執り行われるという。 つまり、事を起こすとすればこの日が絶好ともいえる。 無論、事を起こそうとしている存在とはスカリエッティとレザードであるのは間違いない。 つまりその日こそが世界の命運を分ける日とカリムは考えており、皆もそれに賛同していると。 そして機動六課の真の目的の為に尽力して欲しいと綴ると三人は一斉に敬礼し、会議は終了となった。 それぞれが自分の部隊もしくは仕事場に戻る中、カリムは自分の予言に目を通していた。 一行目に書かれている“歪みの神”もしこれがレザードの事を指すのであれば我々は神と対峙しなければならないのか? だが我々の信仰に神は存在しない、それにあのような傍若無人な存在が神であるハズがない。 そう自分を言い聞かせ不安をぬぐい去ろうとするが、それでも不安は募るばかりのカリムであった。 場所は変わり此処はゆりかご内に存在する生体ポットが並ぶ部屋、その中でルーテシアは一つの生体ポットを見つめる。 生体ポットにはNo.XIと書かれたプレートが掲げられており、ポットの中には紫の長髪の女性が眠っていた。 「お母さん……」 そう一言呟くルーテシア、自分の目的は母親の病気を治し一緒に暮らす事、その為にはNo.XIと刻まれたレリックが必要なのである。 そして母親を助ける為に自分は修羅にも夜叉にもなる、その決意を胸にルーテシアは一つお辞儀をするとその場を後にした。 その頃スカリエッティは管理局に潜伏しているドゥーエと連絡を取っていた。 その理由は地上本部壊滅のタイミングを計る為である。 「つまり公開意見陳述会、この時が最も適しているというのだね」 「はい、ドクター」 モニターに映るドゥーエは頷くとスカリエッティに地上本部のセキュリティ情報を渡す。 確かにドゥーエの言う通りこの機を逃す手はない、それにゆりかごの方もほぼ修復を終えている。 つまりこの日こそ決起する時!…そう考え狂気を含む笑みを浮かべるスカリエッティであった。 一方、自室にてレザードは陳述会の内容に顎に手を当て考え込み、先日の戦闘で現れたエインフェリアの姿と見比べる。 今回の陳述会に出されるエインフェリアは巨大で標準的な魔力を生む動力炉に遠距離砲が配備され、まるで戦車のような姿をしており、まさに質量兵器その物であった。 その量産機とは到底思えない姿に不敵な笑みを浮かべるレザード。 「滑稽な…質量兵器を禁じている管理局が、このような形を取るとは……」 その性能も自分達が造り出したナンバーズとは程遠い存在、寧ろレザードは人型のエインフェリアに興味を持っていた。 彼らの材質は恐らくベリオンの内部に使われている物と同じダマスクス、アーティファクトの一つであるダマスクス製法書によって作成したのだろう。 そしてこの異常なまでの戦闘力、それはまさしく管理局側の戦闘機人と呼ぶに相応しいと言っても過言ではなかった。 スカリエッティは今回の陳述会を機に本格的に計画を始める様子、そして陳述会には必ず機動六課及びエインフェリアを出してくるだろう。 つまりは総力戦、そして自分もまた出ざるは終えないだろう…眼鏡に手を当て真剣な面持ちを浮かべるレザードであった。 その頃セイン・ノーヴェ・ウィンディの三人は今回の計画の際に進むであろう道を知る為、町に繰り出していた。 …尤もそれは名目で本当はある目的のため、町を練り歩いているのである。 三人はスーツに備え付けられている私服モードを利用し、ノーヴェは紺のGパンに白い半袖のシャツ、ウィンディは膝ほどの深緑の半ズボンに赤いTシャツ、 そしてセインは黒いダボッとした長ズボンに白いパーカー、更に黒いキャップとサングラスを掛けていた。 セインは先日の戦闘にて顔が割れている可能性がある為の処置である。 それでも街に繰り出したい理由は、町の中に点在する公園で売られているアイスを手に入れる為、それだけの為である。 そして三人は公園に存在するアイス屋へ赴くと、ウィンディはストロベリー、ノーヴェはオレンジとバニラのダブル、 セインに至ってはチョコミントにチョコチップ、更にマーブルにトッピングチョコをまぶした物を注文する。 「…セイン、そんなに頼んで大丈夫なのかよ?」 「知らないのノーヴェ?こう言うのは別腹って言うのよ」 「なるほど…セイン姉は腹が二つ有る訳か」 「……そんな訳無いじゃないッスか」 ノーヴェの天然さに呆れるウィンディ、恐らく基礎となる遺伝子がそれをさせるのだろう。 そんな事を考えるも三人はそれぞれのアイスを手にし、ベンチに座ると食べ始める、 セインに至っては、がっついて食べており、その光景に頬を掻く二人。 そしてアイスを食べ終えるとベンチから立ち公園を離れ、当初の目的を遂行する為、行動を始める。 そして最短ルートを調べ、そのルートを進みセインの目標の地である地上本部へ辿り着く。 そして見上げる三人、この地を今度の戦闘で壊滅させてみせる、そう意気込む三人であった。 それから数日後、此処地上本部の近くに存在するホテル内では、翌日に行われる公開意見陳述会の準備に追われていた。 そして表の中庭にはアインへリアル計画によって創り出されたエインフェリアが三体並んでおり、 その大きさは十メートル以上にも及ぶ、どうやら動力炉の大きさに合わせて造られているらしい。 そして警備には本局の局員数十名、会場内は機動六課のなのはとフェイト、そして地上本部の局員の手によって行われ 残りの機動六課はホテル周辺を警備する事が決定していた。 そしてなのはとフェイトは一足早く会場入りする為、フェイトは車の用意をしており、 隊舎入口にはフォワード陣とヴィヴィオが見送る為に並んでいる、するとなのは達はスバルとエリオを呼び寄せる。 「スバル……レイジングハートの事お願いしていい?」 「私も…エリオ、バルディッシュの事お願いね」 会場ではデバイスを持って入ることは出来ない、その為最も信頼できる人物、スバル達に持ってて欲しいと頼むと快く応じる。 そしてなのははヴィヴィオに目線を合わせ、優しく話しかける。 「それじゃあ明日までには帰ってくるから、ちゃんと病院に行くんだよ?」 「ぜったいに?……やくそくだよ、なのはママ」 ヴィヴィオの問い掛けに力強く頷くと指切りをするなのは、そしてその光景に自分の過去が重なり暗い顔を見せるティアナ、 …かつて自分の兄は指切りした後、二度と戻ってくる事は無かった…… …だがなのはさんに限ってそんな事が起きるハズが無い!そう自分の考えを自重するように拳を握るティアナ。 その後なのは達を見送ったヴィヴィオは定期検査の為、ヴァイスが操縦するヘリで一路聖王医療院に向かうのであった。 翌日、他のメンバーもまたホテルへと赴き厳重な警備の中、公開意見陳述会は開始される。 陳述会ではガノッサがアインへリアル計画の必要性を熱く語っており、状況は賛成の方に傾きつつある中、レジアスの姿は見受けられなかった。 そして、陳述会会場から数十キロ離れた先にナンバーズとルーテシアにゼスト、 そしてベリオンがそれぞれの役割を果たす為の配置についており、それを確認したクアットロはスカリエッティと連絡を取る。 「ドクター、此方は配置は完了しましたぁ」 「ご苦労様…では始めるとしようか……」 スカリエッティの合図の下、今此処に“ラグナログ”計画は発動したのである…… 前へ 目次へ 次へ オマケへ
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/520.html
崩落 の ステージ(後編) ◆HlLdWe.oBM 今から思えばこの時誰もが油断していたのだろう。 思いもかけぬ再会に心が安らいで気が緩んでいたのだろう。 だから誰も気付く事ができなかった。 一途な願いを叶えるために殺人を犯す小さな魔導師の存在を。 小さな魔導師に仕える炎の魔人を。 主命により魔人がもたらす地獄の業火を。 ▼ ▼ ▼ 「ルル、ありがとう」 シャーリーはこれから死にゆくものとは思えないほど安らかな表情を浮かべていた。 これも咄嗟に掛けたギアスのおかげか。 本当なら再びシャーリーにギアスを掛けたくはなかった。 だがこうするしかなかった。 突然起こった地震並みの揺れとアニメイト全体の倒壊。 降り注ぐ瓦礫の雨と押し寄せる炎の波。 どれも防ぐ事など出来なかった。 魔眼を備えようともこの身は人の域を出ない。 金髪の男や赤いコートの男と同じように人の域を超えた怪物には為す術がなかった。 一瞬で瓦礫は隙間なく降り注ぎ、炎は身体を舐め尽し、こうして思考しているのが不思議なぐらいだ。 唯一出来た事はシャーリーをしっかりと抱きしめてやる事だけ。 『幸せな夢を見ろ』という最期のギアスを掛けたのはその時だ。 これから死ぬ運命を変えるのは不可能だった。 だがせめて死ぬ瞬間までは辛い思いはしてほしくなかった。 もうシャーリーは十分辛い目に遭ってきたのだから。 それにしても、本当に嬉しそうな顔だ。 たぶん俺に告白する夢でも見ているのだろうか。 ふとそんな気がした。 だがシャーリーすまないな。 夢の中の俺なら君の想いに答えてやれるだろう。 だが現実の俺はそれには答えられない。 なぜなら俺が愛する者は唯一人あいつしかありえないからだ。 こんな状況だからこそ改めて分かる事もある。 自分がどれだけあいつの笑顔や行動に救われてきたか。 もうあんな風に口喧嘩する事も笑い合う事もできないんだな。 ――好きだったんですね、その人のこと。 ああ、そうだ。 俺はスバル・ナカジマという女性を心から愛している。 だがその想いも死んでしまえばそこで終わりだ。 「最期にあいつの顔、見たかったな……」 ▼ ▼ ▼ ルーテシア・アルピーノはヴィヴィオを背負って聖王のゆりかごへ向かっていた。 なぜ北へ向かっていたはずのルーテシアがこのような状態になっているのか。 それにはいくつかの理由があった。 【放送前後のルーテシアの動向】 元々ルーテシアの目的地はC-9にあるスカリエッティのアジトであった。 目的は本来ならば生体ポッドの中にいるはずの母メガーヌ・アルピーノがいないという証言の確認。 誰にも会わないままアジトに辿り着き、さらに見慣れた場所ゆえに万事順調に進んで第二回放送前には目的は果たせた。 その結果、メガーヌの姿はどこにもない事が判明した。 これで転送前のプレシアの発言と天上院明日香の発言の裏付けが取れた。 しかしだからと言ってルーテシアの行動方針に変更があるわけではない。 あくまで全ての参加者は別々の世界から連れて来られたという事を再認識しただけだ。 それから行われた第二回放送に関してはプレシアからの提案以外は特に興味を引かれるものはなかった。 敢えて言うなら取引を交わした一人ブレンヒルトの死亡だが、それも最初から乗り気でなかったので特に思う事はなかった。 そして放送後ルーテシアは周辺の探索に勤しむ事にした。 ルーテシア自身の体力は全参加者から見れば下位であるが、それを補う足としてマッハキャリバーというデバイスがある。 このデバイスのおかげで行動距離はずいぶんと広くなっているのだ。 目下ルーテシアの探しているものは大きく二つに分けられる。 一つはキース・レッドに頼まれているキース・シルバーや『ベガルタ』『ガ・ボウ』の情報。 だがこれはそもそも乗り気ではないので正直どうでもいいとさえ思っている。 そしてもう一つこそ本命、つまりイフリート以上の戦力の確保。 確かにイフリートの力は並みの参加者にとっては脅威となるだろう。 だがあの剣士のように対抗できる参加者がまだいるかもしれない。 さらに召喚の際に要するタイムラグと疲労も無視できるものではない。 何よりイフリートを渡してくれたキース・レッドはもしもの時に備えて既に何か対策を講じている可能性は十分にある。 つまりイフリートの力を過信して安易に頼ってばかりはいられないという事だ。 アジト周辺に大して何もない事が分かると、ルーテシアはキース・レッドとの取り決め通り会場の北を中心に捜索しようとした。 だが森の中より市街地の方が見つかり易そうと考えてD-5の橋を渡って北西方面に向かう途中であるものを見つけた。 それはE-7の駅からA-8へと伸びる謎の線路。 地図を確認するとこの会場唯一の駅は橋へ向かう途上の近くにあったので探しものがてら少し寄ってみる事にした。 ちなみに廃墟も近くにあったが、何かあるとは思えないので寄らなかった。 そしてルーテシアは温泉に向かっていたシャーリーを発見した。 この時ルーテシアはある作戦を思いついた。 ――囮だ。 わざとシャーリーを生かして逃がす事で近くの参加者を引き寄せて、そこでイフリートを召喚して一掃するという算段だ。 上手くいけば殺した参加者から有能な道具が手に入る可能性もある。 ルーテシアはその作戦を思いつくと即座に実行に移した。 適度に攻撃射出魔法トーデス・ドルヒを放ちつつ付かず離れずの距離を保って追いかける。 もう既にマッハキャリバーの扱いにも慣れてきたのでシャーリーと違ってルーテシアの疲労は大した事なかった。 シャーリーは最初こそ銃撃や投擲で難を逃れようとしていたが、全て失敗に終わると後は逃げるだけに徹するようになった。 この際見た感じ役に立ちそうになかった弾切れの銃とバッグ以外は何かに使えると思って拾っておいた。 だがバッグを投げた時に零れ落ちた1枚のカードの存在にはシャーリーもルーテシアも気づく事はなかった。 しばらくそれを続けていたが、予想に反していつまで経っても誰も現れなかった。 実際は数人気づく可能性があったのだが、各々の事情で気付く事はなかった。 だからこの地獄のような鬼ごっこはかなりの間に渡って続いたが、最終的に途中で中断された。 その原因は早乙女レイにある。 【エボニーの試射】 ルーテシアがシャーリーを追いかける事を中断したのは瀕死のレイを発見したからだ。 当然ルーテシアの前を走っていたシャーリーも気づく可能性はあったが、逃げる事で精一杯だったので気づく事はなかった。 しかもレイが倒れていた場所は二人がいた道から少し離れた場所だった上にハイパーゼクターの出現もあって尚更だった。 この時ルーテシアはシャーリーが既に限界に近いと勘付いていた。 だから少しぐらい目を離してもすぐに見つかると高を括っていた。 そうして一応シャーリーが西へ向かった事だけ確認してからレイの方に向かったのだ。 ルーテシアがレイに興味を持ったのは荷物を回収する事に加えてエボニーの試し撃ちをしておこうと思ったからだ。 キース・レッドから貰い受けたもう一つの武器、黒鍵を思わせる拳銃エボニー。 質量兵器が殺傷能力に長けている事はルーテシアも知っていたが、実際の威力までは知らない。 だから本番で不覚を取らないように一度試し撃ちをして威力などを確認したいと考えていた。 そこで発見したのが瀕死の状態のレイ。 動かない的として適任な上に参加者殺害によるプレシアからの見返りも期待できる。 そして十分に近づいたところでエボニーを撃った。 レイは最期まで何をされるか分かっていないようだったが、ルーテシアには関係ない事だった。 結局片手で撃てば無理そうだが、両手で撃てば問題ないという結論に至った。 残念ながらデイパックはなかったのでここでの目的は終わった。 そしてシャーリーの行方を探るのだが、意外な事が契機で見つける事ができた。 その原因はスバル・ナカジマにあった。 【イフリートの召喚】 ルーテシアがシャーリーの居場所を見つける事ができたのはスバル・ナカジマの行動のおかげだった。 スバルが裏口で盛大にドアにぶつかった時、ちょうどルーテシアがアニメイトの前を通っていたのだ。 当初西へ向かって捜索していたルーテシアだったが、意外とすぐにシャーリーを見つける事ができなかった。 そんな時にスバルがドアに激突した奇妙な音を耳にしたのだ。 そして気になってアニメイトの中を注意深く覗き込んだ結果、店内にいるシャーリーとルルーシュを発見できた。 ちなみにこの少し前にスバルは正面の入口に来ている。 だが日の光の加減で中の様子が見えなかった事に加えて自動ドアが反応しない時点で裏口に回ってしまっている。 この時自動ドアを叩けば中にいるシャーリーとルルーシュが気づく可能性はあったが、所詮は後の祭りだ。 その時とは違ってルーテシアはドアに張り付き目を凝らす事で中の様子を把握できた。 この瞬間スバルとこなたは裏口で談笑していて死角にいて、ルルーシュとシャーリーは感動の再会の真っ只中。 それはまさにタッチの差としか言いようがないタイミングだった。 そして炎の魔人による蹂躙が始まった。 もう囮作戦も頃合いだと判断するとイフリートを召喚して外から一方的にアニメイトを破壊した。 天高く振り上げられた剛腕から繰り出される槌の如き一撃でアニメイトはほぼ倒壊。 さらに灼熱の業火を思わせる「地獄の火炎」による焼き払いで残骸は灰塵と化した。 まるで元から会場には地図の通りそんな建物は存在しなかったかのように。 そしてアニメイトを襲撃したルーテシアは北へ戻らず、さらに南下して聖王のゆりかごに向かう事にした。 その理由はヴィヴィオにある。 【聖王のゆりかごの利用】 ルーテシアが聖王のゆりかごを目指す契機となったのはヴィヴィオを発見したからだ。 あの後少々やりすぎた感を抱きながらルーテシアはアニメイト跡地で何か使えるものが残っていないか探した。 だがイフリートの力によってデイパックは中の道具諸共ほとんどが灰となり、死体も炭化していた。 辛うじて回収できたのはなぜか無傷だったトランプのカードと、少し離れた場所に落ちていて無事だったアサルトライフル。 実はトランプが燃えなかったのはアンデッドを封印する特殊なカードだからで、ライフルはこなたが落としたものなのだが、当然ルーテシアはそのような事情は知らない。 その二つは途中で拾ったデイパックと一緒に自分のデイパックに入れておいた。 そして予想外の収穫は唯一の生存者ヴィヴィオである。 なぜかバリアジャケットのような意匠の服を着ていたのでそのおかげかとも思ったが、どうも違うらしい。 なぜヴィヴィオは無事なのか。 それはヴィヴィオ自身と装備していたクラールヴィントのおかげだ。 あの時ヴィヴィオは迫り来る危機に対して無意識で「聖王の鎧」を発動させていた。 ひとたび危険が迫れば本人の意思とは関係なくその身を守るという古代ベルカ王族が遺伝子レベルで所有している自動防衛能力。 それに加えてクラールヴィントが自主的に発動させた防御魔法。 この2つの防護のおかげでヴィヴィオは無事だったのだ。 そして襲撃時にアニメイトの一番奥に位置する事務室にいたのも幸いだった。 そのおかげで地獄の火炎はヴィヴィオに至るまで瓦礫に阻まれて威力は半減していたからだ。 だが今は直前にルルーシュへの治癒魔法も行使していた事もあって多大な魔力を消費したために意識を失っている。 しかしルーテシアにとってはそのような事情はどうでもよかった。 重要なのはヴィヴィオを保護できたという事。 聖王の器であるヴィヴィオは聖王のゆりかごを起動するための鍵である事はルーテシアもチンクから聞かされて知っていた。 そのヴィヴィオは今自分の手元にある。 つまりこのまま聖王のゆりかごに行けば、その強大な戦艦の力を手に入れる事ができる。 それはイフリートよりもさらに強力な力であり、おそらく実現すれば生存している全参加者で太刀打ちできる者はいない。 だからルーテシアはヴィヴィオを背負って聖王のゆりかごに向けて移動しているのだ。 その先にある希望を信じて。 【1日目 午後】 【現在地 G-7 大通り上(南下中)】 【ルーテシア・アルピーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、魔力消費(中)、疲労(中)、キャロへの嫉妬、ヴィヴィオを背負っている 【装備】マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ウィルナイフ@フェレットゾンダー出現! 【道具①】支給品一式、召喚マテリア(イフリート)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、エボニー(9/10)@Devil never strikers、エボニー&アイズリー用の予備マガジン×1、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レイとフェイト(A’s)のデイパック(道具②と③) 【道具②】支給品一式(名簿の裏に記述あり、内容は情報交換のメモと同じ)、SIG P220(8/9)@リリカル・パニック、情報交換のまとめメモ(内容は守りたいもの参照) 【道具③】支給品一式、フリーズベント@仮面ライダーリリカル龍騎、光の護封剣@リリカル遊戯王GX 【思考】 基本:最後の一人になって元の世界へ帰る(プレシアに母を復活させてもらう)。 1.どんな手を使っても最後の一人になる(自分では殺せない相手なら手は出さずに他の人に任せる)。 2.南に向かい聖王のゆりかごを起動させる。 3.18時に地上本部へ行き、キース・レッド他集まった参加者をイフリートor聖王のゆりかごで一網打尽にする。 4.3がキース・レッドに察知された時の保険として一応キース・シルバーと『ベガルタ』『ガ・ボウ』を探す(割とどうでもいい)。 5.もしもレリック(刻印ナンバーⅪ)を見つけたら確保する。 【備考】 ※ここにいる参加者は全員自分とは違う世界から来ていると思っています。 ※プレシアの死者蘇生の力は本物だと確信しています。 ※ユーノが人間であると知りました。 ※マッハキャリバーは参加者の時間軸の差異に気付いています。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、疲労小、魔力消費極大、シャーリーへの心配、知り合いが死んだ事への悲しみ、強い決意、浅倉に対する複雑な感情、ルーテシアに背負われている、気絶中 【装備】クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、フェルの衣装、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ 【道具】支給品一式、ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:六課の皆と一緒に脱出する。 1.シャーリーお姉さんを助けたい、ルルお兄さんも助けたい。 2.ママ達がいなくなってもヴィヴィオがんばる! 3.天道お兄さんを助けたい、浅倉お兄さんともお話したい。 【備考】 ※浅倉は襲い掛かって来た矢車(名前は知らない)から自分を救ってくれたヒーローだと思っています。 ※浅倉をまだ信頼しており、殴りかかったのは何か理由があるのだと思っています。 ※矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。キングは天道を助けてくれるいい人だと思っています。 ※この場にもう1人なのはやフェイトがいる事に気付いていません。 ※クラールヴィントは浅倉を警戒しています。 ▼ ▼ ▼ 泉こなたが目覚めた瞬間に目にしたものはこちらの顔を心配そうに覗き込むスバルの顔だった。 「こなた、気が付いて良かった……」 「え、私、なんで……」 こなたは意識を失う前の出来事を懸命に思い出そうとした。 ルルーシュとシャーリーの再会に水を差してはいけないと思ってリインを連れて外に見張りに行こうとした。 一応なぜかシャーリーが持っていた自分のデイパックと護身用にアサルトライフルは持ち出した。 そして静かに事務室に移動。 それから二人の邪魔にならないように配電盤を操作して自動ドアが開かないようにセット。 次いでソファーの上でまだ眠っているヴィヴィオを確認してから裏口に向かった。 そこで鍵が掛かったドアを無理やり開けようとする何者かの存在に気付いた。 恐る恐る覗き穴から確認するとそこにはドアを拳で破壊しようとしているスバルがいたので急いでドアを開けて再会した。 そこで記憶は途切れていた。 「スバル、ここはどこ?」 「アニメイトから少し離れたところにある建物。たぶん見つかってはいないと思うよ」 その言葉は暗に自分達が追われているという事を意味していた。 護身用に持っていたはずのアサルトライフルが無くなっている事からも何か非常事態が起きた事は想像できた。 そしてスバルの左腕には骨折を処置したと思われる包帯が巻かれていた。 おそらく必死に守ってくれた証なのだろう。 「え、もしかして私達襲われたの?」 「うん、誰が襲ったのかは分からなかったけど……ただ炎の巨人を操っている事だけ分かったよ」 よくゲームで見る召喚士みたいな人をこなたは一瞬思い浮かべた。 だがそれよりも気になる事があった。 それはアニメイトにいたルルーシュやシャーリーやヴィヴィオの安否だ。 「スバル! ほ、他の皆は無事!?」 「お、落ち着いてこなた。私はこなたを守って逃げるだけで精一杯だったけど、リイン曹長なら無事だよ。 最初の攻撃を無理して防いでくれたせいで今はまだ気絶しているけどね」 「え、リイン以外は……?」 その言葉を聞いた瞬間、スバルの顔が一気に青ざめるのがよく分かった。 今までこなたとリインが無事で安心していた顔にはもう未知の怖れしか見えなかった。 「う、うそ……もしかして、アニメイトにまだ誰かいたの!?」 その時こなたは悟った。 これから自分の言う事はスバルを深い悲しみに追いやるだろうと。 だがいつかは分かってしまう事だ。 それならば早いうちに知らせた方がいい。 だからこなたは重い口を開いた 「アニメイトには……ルルーシュとシャーリーとヴィヴィオが残っていたんだ……」 「え――?」 その言葉はスバルがまたしても仲間を守れなかった事を意味していた。 【早乙女レイ@リリカル遊戯王GX 死亡確認】 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル 死亡確認】 【シャーリー・フェネット@コードギアス 反目のスバル 死亡確認】 【1日目 午後】 【現在地 G-6 市街地 アニメイトから少し離れた建物】 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労小、全身ダメージ小、左腕骨折(処置済み)、ワイシャツ姿、質量兵器に対する不安、若干の不安と決意、仲間の死によるショック 【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定) 【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照) 【思考】 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。 1.う、うそでしょ……。 2.かがみを止めにいく。 3.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。が、かがみの事はどう説明するべきか……。 4.アカデミアに戻って首輪を回収したい。 5.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 6.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。 【備考】 ※参加者達が異なる時間軸から呼び出されている可能性に気付きました。 ※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。レイにも注意を払うようにしています。 ※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。 ※アンジールが味方かどうか判断しかねています。 ※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。 【泉こなた@なの☆すた】 【状態】疲労小、仲間の死によるショック 【装備】涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)、リインフォースⅡ(疲労大、気絶中)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS 【道具】支給品一式、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、救急箱 【思考】 基本:かがみん達と共に家族の元に帰る為、自分の出来る事をする。 1.うそ、みんな……死んじゃったの……? 2.落ち着いたらこれまでの事をスバルと話し合う。 3.リインが心配。それと時間が経ってから後でフェイトとプレシアの関係を確認してみる。 4.かがみん達……大丈夫だよね? 5.おばさん(プレシア)……現実とゲームを一緒にしないで。 【備考】 ※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。 ※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました(スバル達に話すつもりはありません)。 ※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。 ※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。 ※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。 ※地図に載っていない施設が存在する事を確信しました。 ※PT事件の概要(フェイトとプレシアの関係は除く)をリインから聞きました。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※アーカードとエネル(共に名前は知らない)、浅倉、キング、レイを警戒しています(特にレイとアーカードには二度と会いたくないと思っています)。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでの経緯を聞きました。矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。 【リインフォースⅡ:思考】 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。 1.落ち着いたらこれまでの事を話し合う。 2.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。 【備考】 ※自分の力が制限されている事に気付きました。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでの経緯を聞きました。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.これまでの情報を纏める。 2.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には機動六課か地上本部で解析する。 4.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ※チーム内で、以下の共通見解が生まれました。 要救助者:万丈目(注意の必要あり)、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、チンク、クアットロ、C.C./(フェイト及びクアットロには注意の必要あり) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ)、炎の巨人を操る参加者 以上の見解がそれぞれの名簿(スバル、こなた)に各々が分かるような形で書き込まれています。 【全体備考】 ※アニメイトは全壊・全焼して灰塵と化しました(跡地にルルーシュとシャーリーの焼死体があります) ※以下のものが焼失しました。 ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、シャーリーのデイパック(支給品一式、デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX)、ルルーシュのデイパック(支給品一式、洞爺湖@なの魂、小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、インテグラのライター@NANOSING、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、ガムテープ、紐、おにぎり×3、ペットボトルの水、火炎瓶×4、シーツ数枚) ※【E-7駅】と【G-6アニメイト跡地】の間のどこかにレッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's ―LYRICAL KING―が落ちています。 ※リインフォースⅡのお出かけバッグとゼロの銃(0/10)は破壊されました。 【涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)】 某有名アニメ涼宮ハル○の憂鬱に出てくる主要人物が通っている県立北高校の女子用の制服を再現したもの。 水色と白のセーラー服とスカートで、胸元の臙脂色のリボンが特徴的。 ただし涼宮ハル○(CV:平野綾)仕様という事でオプションとして黄色のカチューシャと『団長』と書かれた腕章が付いている。 こなたはアルバイトのコスプレ喫茶でこの衣装を着用している。 【フェルの衣装】 某18禁ゲームプリズム・アー○に出てくる自称「自称天才魔法操者」フェル(CV:水橋かおり)の衣装を再現したもの。 先が二つに分かれた大きな薄紫色の帽子と背中の大きな薄橙色のリボンが特徴的。 Back 崩落 の ステージ(前編) 時系列順で読む Next 共振~バイブレーション~ 投下順で読む Next 機動六課部隊長斬り捨て事件~バトルロワイアル放浪ツアー、街角に待ち受ける幻惑の罠、鉄槌の騎士と烈火の剣精は聞いていた~ ルーテシア・アルピーノ Next ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編) ヴィヴィオ Next ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編) スバル・ナカジマ Next Blue Swear―――蒼い誓い 泉こなた Next Blue Swear―――蒼い誓い 早乙女レイ GAME OVER ルルーシュ・ランペルージ GAME OVER シャーリー・フェネット GAME OVER
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3122.html
「凄い…これで能力リミッター付きだなんて……」 現場で待機していたティアナは副隊長達の戦況を見守っていた。 モニターにはシグナムとヴィータがガジェットを次々と撃破している姿が映し出されており、 これほどの戦力であればガジェットの全滅は時間の問題だとティアナは思っていた。 リリカルプロファイル 第十四話 不死者 「ゴメン!遅うなった!」 はやては来客の誘導を終え、足早に着替えるとシャマルがあらかじめ用意してくれた転送魔法で六課へと転送し、 上着を羽織りながら飛び込むかのようにロングアーチへ入ってきた。 だがはやての服装はネクタイが曲がっていたり、シャツがはみ出ていたりと乱れていた。 はやては乱れた身なりを整えつつ現場の状況をグリフィスに伺う、状況は此方が優勢で、もうじき前線メンバーになのは・フェイトが合流すると伝えた。 その時である、オペレーターが新たなガジェットの反応を確認したと、場所は南西方向で相当の数であると伝える。 そこではやては、エリオと共に待機していたザフィーラとシャマルを南西へと赴かせ迎え撃つ事を指示した。 「行きましょうザフィーラ」 「承知した、此処は任せたぞ」 ザフィーラ、シャマルの両名は一言残し足早に現場へと向かう、すると鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をしているエリオとキャロ。 そして思わず言葉を漏らした。 「……ザフィーラって」 「喋れたんだ……」 少し時間を遡り、レザード達は第二陣とも言えるガジェットの出陣を見つめていた。 そんな中、手筈通りにとレザードはルーテシアに促すとルーテシアは頷き詠唱を始める。 「吾は乞う…小さき者羽搏く者…言の葉に応え我の命を果たせ…召喚!」 すると小さな羽虫達を召喚するルーテシア。 名はインゼクト、ルーテシアが召喚する虫の中で最小の召喚虫である。 召喚したインゼクトはガジェットに取り付くと操作制御を奪取する。 次にルーテシアは召喚魔法を応用した転送魔法ブンターヴィヒトを準備すると、レザードもまたそれに合わせ第三陣の合図を出した。 一方ロングアーチのモニターにはヴィータと合流したなのは、そしてシグナムと合流したフェイト等が前線で奮闘する姿が映し出されていた。 ロングアーチの面々はその圧倒的な戦力に安堵の色が見え隠れしていたが、はやては冷静に戦況を分析していた。 そして恐らくこの襲撃はまだ終わっていないと考え現場に警戒を促していると、 新たな反応を確認したとオペレーターははやてに伝える、場所は北東と北西と南西の方向で、それぞれ前線に向かっていると伝えた。 相手は例のアンノウン、先程とは打って変わりロングアーチ内に緊張が走る中、更に新たな反応を確認したとオペレーターははやてに伝えた。 「今度は何処や!」 「ホテルアグスタ前!ガジェットの反応です!これは……おそらく転送魔法の一種と考えられます!」 敵の増援に転送魔法による強襲、この波状攻撃に対し、はやては予め待機させておいたスバル組・エリオ組にガジェットの殲滅を指示した。 指示を受けたスバル組とエリオ組は早速転送されたガジェットに対しコンビネーションによる攻撃を仕掛ける、だが今までのガジェットとは動きが違っていた。 それをモニターしていたなのはは、強襲したガジェットは恐らく何者かに操作されているとロングアーチに伝える。 それを聞いたヴィータは今のアイツらでは荷が重いと感じ援護に向かおうとするも、なのはに止められる。 「何でだよ!なのは!」 「あの子達はあの程度の戦力に負けるわけ無いから」 転送されたガジェットの数は二十数機、二手に分かれたとしても一組約十数機、その程度の戦力にやられる程甘い訓練は受けさせていないとなのはは語る。 そしてなのははスバル組・エリオ組に声をかける。 「みんな!いけるよね!」 『ハイッ!!!』 その力強い返事聞き、頭を掻ながら自分の過保護さに苦笑いをするヴィータであった。 一方レザードは顎に手を当てモニターを見つめていた。 本来の作戦は前線に攻撃を集中させ、がら空きとなったアグスタをルーテシアが操作するガジェットで襲撃・見事に回収する予定であった。 だが現状は全く違っていた、前線は隊長・副隊長・遊撃隊によって完璧に抑えられ、転送したガジェットもまた次々と落とされていた。 隊長・副隊長達の戦力を侮ったのも手痛いが、特に転送先の魔導師達の戦力を侮ったのが一番手痛かった。 彼等は一週間以上前のリニアレールの時とは強さが全く違っていた。 たった一週間程度でこれ程の戦力になるとは、良い指導者に恵まれいるのかもしれないとレザードは考えていた。 だがこのまま手を拱いては目的の品を手に入れることが出来ない…そう考えているとルーテシアがレザードに問いかけて来た。 「戦局は劣勢……どうするの博士?あの時のレリックみたいに諦める?」 「そうですね……仕方がありません、ならば私が赴きましょう」 「…博士が?!」 普段あまり感情を表に出さないルーテシアでも流石に驚く表情を現すが、レザードは気にせず新たな作戦の説明を始める。 レザードが考えた新たな作戦とはレザード自身が囮となり、その隙にルーテシアが召喚したガリューをアグスタへ潜入させ、目的の品を回収するといった内容であった。 「では頼みましたよルーテシア…」 そう言うとルーテシアは頷きガリューを召喚する、そしてレザードもまた移送方陣でアグスタへと向かった。 レザードの転移後、沈黙を守っていたゼストがルーテシアに問いかけて来た。 「…これで良いのかルーテシア」 「うん…博士と話すのは楽しいから」 目元に手を当て不敵な笑みを浮かべ、レザードの真似をするルーテシアであった。 「クロスファイア……シュゥゥゥゥト!!」 ティアナは最後のカートリッジを消費しクロスファイアを放つ。 クロスファイアはガジェットの中心を次々に貫き撃破していった。 「こっちは!なのはさんに血反吐が出るぐらいの訓練を受けているんだから!」 そうガラクタと化したガジェットに言い放ち、ティアナは持っていたクロスミラージュを強く握りしめる。 …自分の魔力弾はどんな相手でも命中する、どんな装甲でも撃ち貫く!… そう思いティアナは自分が確実に強くなってきていることを肌で感じ取っていた。 今回相手にしたガジェットは今までのような自動的な動きではなく操作された動きであった。 それは言い返せば誘導弾と変わらない、しかしなのはの訓練程の速度・無規則な軌道・魔力性質の違いなどはなく、 この程度では物足りないとすら感じていた。 そしてティアナが空になったカートリッジバレルを交換していた矢先に最後の一機をスバルが撃破、 ティアナはそれを確認するとロングアーチと連絡をとる。 その後暫くしてエリオ組もガジェットの殲滅に成功した事が伝えられ、ロングアーチは現状での待機を命じた。 するとティアナはモニターでなのは達の戦況を見守っていた。 北東ではなのはとヴィータが次々にアンノウンを消滅させていた。 その動きはスバルとティアナにとってまさに手本となる動きであった。 なのははディバインシューターで鳥のアンノウンを翻弄させると、その隙をついてヴィータが頭部を粉砕。 攻撃後ヴィータが動きを止めると、その隙をつこうとヴィータの後方で狙い定めたアンノウン達に対し、 今度はなのはがアクセルシューターでアンノウン達の頭部を次々と破壊する。 破壊後アクセルシューターは威力を維持したまま今度は他のアンノウンの出端を挫き動きを止めると、それに合わせてヴィータがアンノウンを次々に消滅させていた。 その鮮やかな動きに思わず見とれるティアナ達、いずれ自分達もあのような動きが出来るようになりたいとティアナ達は思っていた。 暫く経ち北東・北西方面の敵陣は全て撃破し、南西方面の敵陣も残り僅かだとロングアーチから連絡が入る。 スバル達は安堵していると何処からともなく声が響いてきた。 《やはり…あの程度の不死者では相手になりませんか……》 スバル達は声が響く方向へ目を向けるとアグスタの上空に青い五亡星の陣が浮かび上がり、上には眼鏡の青年が佇んでいた。 「誰!?」 「…少なくとも味方じゃねぇのは確かだな」 なのはとヴィータは新たに現れた人物に戸惑いを感じ、フェイトとシグナムは映像に見入っていた。 辺りが困惑している中、スバルが眼鏡の青年に問いかける。 「アナタ何者!それにグールって何!!」 「…質問は一つずつが礼儀ですが、まぁいいでしょう。 私の名はレザード…レザード・ヴァレス、以後お見知り置きを」 そう名乗り礼儀正しくお辞儀するレザード、シグナムはその名に覚えがあった。 レザード…あの男がアリューゼが追いかけている男…そしてあの機動隊を壊滅させた男…その事を思い返すシグナムであった。 「そしてもう一つの質問ですが…貴方達がアンノウンと呼んでいるモノですよ」 「えっ!?それじゃあ!!」 「えぇ…アレは私が造った“作品”です」 その言葉に怒りを覚えるフェイト、あの物言い…彼はスカリエッティと同じく命を弄ぶ存在と感じ、シグナムと共にレザードの元へと向かった。 一方なのは達もレザードの元へと向かっていた。 なのははあの男、レザードの余裕のある言葉使いに対し相当な実力者だと感じ、 更に不死者を“作品”と位置付ける事に対して危険な思考を持った存在だと感じていた。 レザードは投げかけられた質問を返すと手を下にかざす、すると桜色の五亡星が姿を現し輝き始める。 「では、次は此方が質問する番です、貴方達にコレを倒せますか?」 そう告げると五亡星は輝きを増し消滅した。 するとエリオ達に二つ、スバル達に一つ、なのはの周りに三つの五亡星陣が姿を現し、陣から別個の不死者が姿を現す。 エリオ達に現れたモノは赤く巨大な白骨化した二足歩行の竜の体に、手には巨大な刃を持つ不死者、ドラゴントゥースウォーリアが二体。 スバル達には人間サイズで赤い目の部分だけ開いた兜と甲冑で全身を包み込み、更に赤いマントを羽織い右手に剣を握った不死者、ナイトフィーンドが一体。 そしてなのはには顔と胸は女性、腕と下半身は鳥の姿の不死者、ハルピュイアが姿を現した。 「コレらは今まで対峙した不死者とはひと味違いますよ」 そう告げると眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべるレザードであった。 一方なのはの周りに現れた不死者は、奇声を上げながらなのはを囲うように飛び交う。 そんな中、ヴィータはなのはの身を心配する。 「なのは!」 「私は大丈夫!ヴィータちゃんはスバル達の下に行って!此処は私が相手するから!」 そう言って不死者と対峙するなのは、なのはは新たに現れた不死者は今のスバル達には厳しいのではないかと考えヴィータに頼んだのであった。 ヴィータは後ろ髪を引かれつつも頷き、なのはに背を向けスバル達の元へと向かった。 場所は変わり南西方面ではザフィーラとシャマルが不死者を次々に撃破していた。 だが、のちに現れたレザードの存在や、エリオ組に現れた不死者に対し二人は危機感を募らせていた。 そこでシャマルはザフィーラにエリオ組の下へと向かうことを提案した。 「だがシャマル、お前一人だけで此処を押さえられるのか?」 「モノは使いようよ、まぁ任せて」 自信満々にそう答えると左人差し指に付けているクラールヴィントの宝石部分が外れ宝石が拡大される。 そして宝石は紐に繋がれており振り子のような形ペンダルフォルムと呼ばれる姿に変わる。 そして左人差し指のペンダルフォルムを地面に突き刺すと、地面を介して次々に不死者を捕縛していった。 魔力の発露を阻害する効果を持つ、戒めの鎖と呼ばれるバインドである。 次に右人差し指のクラールヴィントをペンダルフォルムに変え紐を伸ばし円を築くと右手を円に通す。 すると一体の不死者の胸に円が現れ、円からシャマルの手が現れると、手のひらには不死者のリンカーコアが握られており、シャマルはリンカーコアを引き寄せた。 旅の鏡と呼ばれる遠くの物を引き寄せる魔法である。 そして手のひらにあるリンカーコアを握りつぶすと、不死者は光の粒子となって消滅した。 「どうです?旅の鏡だってこういう使い方も出来るんですよ」 「…えげつないな……」 シャマルの戦い方に思わず言葉を漏らすザフィーラ。 シャマルはムッとした表情を見せるがザフィーラはそれを無視し、シャマルにこの場を任せエリオ達がいる場所へと向かった。 そしてザフィーラを見送ったシャマルは不死者に目を合わせ、人差し指で指すと静かにこう告げた。 「それじゃあ、あなた達のリンカーコアを見せて貰いましょう…」 一方エリオは不死者との戦闘を始めていた、上空にはフリードリヒに乗ったキャロが戦況を見守っていた。 相手は二体…一見すると劣勢に見えるが、戦況はエリオが優勢であった。 二体の不死者は力はあるもの動きは鈍い為、エリオはソニックムーブで木々の間を飛び交うように動き二体の不死者を翻弄させていた。 その動きに不死者はついて行けずエリオの姿を見失うとエリオはキャロに合図を送る。 合図を受けたキャロはアルケミックチェーンで二体の不死者を縛り付けると、 エリオは一体の不死者に矛先を向けカートリッジを消費しスピーアアングリフを発動させる。 エリオのスピーアアングリフは見事に頭部を貫き、頭部を失った不死者は光の粒子となって消滅……するハズであった。 光の粒子は一点に集まり光の玉に変化すると、もう一体の不死者に取り込まれる。 次の瞬間、不死者はアルケミックチェーンを力ずくで引きちぎり雄叫びをあげた。 不死者の目は真っ赤に輝き、肉体からは赤い魔力が溢れ出ていた。 その光景にエリオは戸惑っているとレザードの声が辺りに響く。 「残念でしたね赤髪の少年、その不死者は倒された時、仲間に憑依して憑依したモノを強化させるのですよ」 不敵な笑みを浮かべながら解説をするレザード、一方エリオは舌打ちをし強化した不死者と戦闘する事となった。 強化した不死者は勢い良く跳躍するとエリオの頭上まで飛び上がり、自由落下とともに右の刃を振り下ろす。 だがエリオはソニックムーブで後方の木まで跳び難を逃れると、スピーアアングリフの準備を始める。 ところが着地した不死者はエリオを見つけるや否や飛びかかるように襲いかかり左の刃を振り払う。 「さっきより速い!!」 エリオはとっさに身を屈めると不死者の刃はエリオの後ろにあった木を切り払った。 木が音を立てて倒れる中、エリオはスピーアアングリフの準備を終えていた。 「貫け!スピーアアングリフ!」 エリオのかけ声とともに不死者の腹部目掛けて突撃するが、エリオの一撃は不死者の肉体を貫くどころか揺るがす事すら出来なかった。 エリオは驚いた表情で一旦引くと不死者は持ってた左の刃で勢い良く斬り上げる、 エリオは持っていたストラーダで攻撃を防ぎ、吹き飛ばされながらも体勢を立て直し地面に着地する。 すると今度は左の刃を前に右の刃を後ろの位置で交差させると、まっすぐエリオ目掛けて振り下ろす、エリオはストラーダを水平に持ち盾代わりにして攻撃を防ぐ。 不死者の一撃は重くエリオごと周りの地面を大きく窪ませるが、エリオは歯を食いしばり必死に耐えていた。 だが不死者は左の刃でストラーダごとエリオを押さえ込むと、今度は右の刃で何度も左の刃を叩きつけた。 その衝撃は凄まじくエリオの手はしびれ、膝は笑い、筋肉は悲鳴を上げ、骨は軋んでいた。 そして不死者は両手を振り上げ、止めを刺すかのように振り下ろした。 だがエリオは振り上げた瞬間の隙を突いてソニックムーブで後方へ跳び、更にスピーアアングリフを利用してキャロのもとまで跳び上がった。 「エリオ君!今治療を!」 「それよりキャロ!ツインブーストをお願い!」 このままでは勝てない、あの不死者を倒すにはツインブーストを受けたスタールメッサーしかないとエリオは興奮した様子で話す。 だがキャロはエリオの話を冷静に聞くも今の肉体ではスタールメッサーの威力に耐えられないと嗜め、エリオは素直にフィジカルヒールを受ける事となった。 フィジカルヒールによってエリオの肉体の疲労をある程度回復させると、今度はエリオの希望通りツインブーストをかける。 ツインブーストを受けたエリオは立ち上がり矛先を不死者に向けるとカートリッジを消費する。 「ありがとうキャロ、行くぞ!スタール…メッサァァァ!!」 エリオのかけ声により魔力刃を展開させ飛び降りると、ストラーダから魔力が噴射し一気に加速、そして縦回転しながら頭部目掛けて振り下ろした。 だがエリオの一撃は不死者には届かなかった、不死者は持っていた刃を交差させスタールメッサーを防いだのだ。 「そっそんな!!」 エリオは愕然とする中、不死者は交差した刃に魔力を込めエリオごと振り抜いた。 エリオは叫び声を上げながら吹き飛ばされ木に激突、その衝撃で木は音を立ててへし折れ倒れていった。 木が倒れたことによって辺りは土煙が上がりその中で、ストラーダを杖代わりにし、笑う膝に活を入れながらも必死に立ち上がるエリオの姿があった。 一方スバル組は不死者に対しクロスシフトAで攻撃を仕掛けていた。 クロスシフトAとは、スバルの高い機動力と防御力を生かし敵陣の敵火網を誘引または敵を牽制しフリーとなったティアナが各個撃破する戦法である。 スバルはリボルバーショット呼ばれる拳と蹴りのコンビネーションで不死者を牽制するが、 不死者は斬撃でリボルバーショットを丁寧に防ぎつつ剣を水平に保ち勢い良く突き刺す。 不死者の一撃にスバルは右手でプロテクションを発動させ攻撃を防ぐとスライドするかのように後方へと移動する。 移動後、リボルバーナックルからカートリッジが排出され、マッハキャリバーをロックさせると腰を深く下ろしリボルバーシュートを撃ち出す。 だが不死者は撃ち出されたリボルバーシュートを魔力を帯びた剣で受け止めた。 「ティア!!」 「わかってる!!」 スバルの合図でティアナはクロスファイアを二発撃ち出す、だが不死者はスバルの一撃を受け止めている剣を傾けリボルバーシュートを受け流すと その場で回転し、クロスファイアを切っ先で切り払い打ち落とした。 すると不死者は跳躍し木に足を着けると、勢い良く木を蹴りスバル目掛けて急降下した。 そして剣の柄を両手で握り突き出す、突き出された刀身には魔力によって生まれた衝撃波が纏っていた。 スバルはプロテクションを展開し迎え撃つが、プロテクションとの接触後、衝撃波が周りに広がり辺りを吹き飛ばす。 その衝撃波にスバルは巻き込まれ吹き飛ぶが、マッハキャリバーの機転によりウィングロードを発動させ難を逃れた。 スバルがマッハキャリバーに礼を言っている間にティアナは一人状況を整理していた。 スバルのリボルバーシュートは受け流されはしたが自分のクロスファイアのように容易く切り払われはしなかった。 この違いは単に一撃の威力の違いと考え、ティアナは次の作戦に切り替える。 クロスシフトB、ティアナが敵を攪乱・足止めをし、その隙をついてスバルが一撃を撃ち込む戦法である。 だがティアナの魔力弾ではあの不死者を止めることは出来ない。 何故ならば先程撃ったクロスファイアは相手の頭部を吹き飛ばすつもりで練った魔力弾、 それをいとも簡単に切り払われるという事は単に魔力弾の威力が負けているという事になる。 だからといって威力を高めれば魔力弾の数は減り足止めすら出来なくなる。 その時不意に先程のなのは達の戦闘を思い出す、なのはは数多くの魔力弾の制御していた。 なのは程ではなくとも数をこなす…今の自分には厳しいが、今この場で出来る最良の方法だと考えスバルに伝える。 「ティア、行けるの?」 「“行けるか”じゃない、“やるしかない”のよ!!」 ティアナの力強くそして覚悟を決めた言葉に対し、スバルもまた腹を決めるのであった。 一方なのはは依然として不死者に囲まれていた。 その状況の中でなのはは一体の不死者に対し見覚えがある印象を受けていた。 …いやそんなハズは無い、きっと気のせいだ…そう自分に言い聞かせなのはは不死者と対峙していた。 不死者達は奇声を上げなのはを威圧していると、なのはは先手を取りアクセルシューターを三発、不死者達に向け撃ち出す。 不死者達のもとへアクセルシューターが迫る中、不死者達は鏡のように反射する魔法障壁を展開、アクセルシューターをなのはに向け跳ね返した。 「えっ!?」 思わず呆気にとられるなのは、だがすぐに気を取り直しアクセルシューターで相殺する。 リフレクトソーサリー、かつてレザードがいた世界で使われている魔法で、魔法を術者に跳ね返す効果を持っている。 今度はディバインシューターで牽制してみるも、やはりアクセルシューターと同様跳ね返されてしまう。 誘導弾が跳ね返されてしまうのであれば、直射型のディバインバスターならどうかと準備体制に入るが、 不死者の一体がなのはの周囲ごと、稲妻に似た攻撃を仕掛けてきた。 サンダーストラックと呼ばれる稲妻に似せた魔法攻撃である。 不死者の攻撃に対しレイジングハートがプロテクションを自動展開、なのははレイジングハートに礼を言いつつ次の行動を考えていた。 ディバインバスターではチャージに時間がかかってしまう、何かいい方法は無いかと辺りを見渡していると大きな岩を発見する。 「岩?………ッ!あれだ!!」 とっさになのはは岩にアクセルシューターを撃ち込み破壊すると、アクセルフィンを使って破壊した岩の場所へと移動する。 場には砕かれた岩が拳大の石となって散らばっており、なのははカートリッジを二発消費するとなのはを中心に環状の魔法陣が展開、 そして散らばった石が浮かび上がり、なのはの周りを飛び交う。 「行け!スターダストフォール!!」 そう叫ぶと魔力で加速された拳大の石等が次々に不死者達へと向かっていった。 スターダストフォール、物質を魔力で加速させて攻撃する魔法である。 不死者達はサンダーストラックでスターダストフォールを迎撃するが、すべてを迎撃出来ず幾つかの小石が不死者の身を打つ。 小石は不死者達の肉体にめり込むが大したダメージを与えていなかった。 その様子を見たなのはは上空へ上がり仕切り直すと、不死者もまたなのはを囲い込み様子をうかがう。 不死者達の魔法障壁は未だ健在で、不死者は魔力弾を跳ね返す事に重点を置いている様子であった。 なのはは考えていた、あの魔法障壁を破るにはバリア貫通もしくは破壊による魔法が必要だと。 その時不意にヴィータが脳裏をよぎった、今回の相手はバリア破壊を持つヴィータこそ相応しかったなと、だが頭を振り弱気になった自分を戒める。 他に何か無いか考えているとスターダストフォールの他にもう一つ、直射型の別のバリエーションを思い出す。 なのはは早速試そうとレイジングハートをバスターモードに切り替えると、更に上空から金色の魔力弾が不死者となのはの間を分けた。 「フェイトちゃん?!」 「もう、またなのはは無茶をして」 呆れた様子でなのはの位置まで移動すると、背を合わせるフェイト。 なのははゴメンと謝りつつどうして此処に来たのか聞くと、ヴィータから話を聞いたと話す。 ヴィータはなのはと分かれた後スバル達のもとへ向かっていたのだが、やはり不安が拭いきれずにいた。 そこで比較的なのはと距離が近いフェイトに援護を求めたのだ。 なのはは正直有り難かった、フェイトはバリア破壊の魔法を持っている、それに“今”の自分が使用できる魔法でダメならアレを使うしかないと思っていたからだ。 なのははフェイトに今までの戦況を説明しレイジングハートを不死者に向け構える。 フェイトもまたなのはの説明を聞き、バルディッシュをハーケンモードに替え構えた。 二人がデバイスを構えている中、フェイトは不死者に対しなのはの周りに現れた頃からずっと疑問を感じていた。 それは実際に目撃した後でも消えることはなかった。 何となく不死者の顔に見覚えがある…もしかしたら最近関わった出来事と何か関係があるのではと思い返していると一つの事件を思い出す。 「…まさか!!」 「どっどうしたの?フェイトちゃん」 フェイトの急な大声に驚くなのはをよそにフェイトはロングアーチとの連絡を取った。 フェイトはロングアーチに先日から起きているミッドチルダ失踪事件の失踪者の顔と 今対峙している不死者の顔の照合を頼むと、ロングアーチは早急に照合を行い始めた。 不死者達の顔に次々と失踪者の顔が合わされていく中、それぞれの不死者の顔と一致する顔が浮かび上がった。 照合率は90%前後、ほぼ間違いなく本人であるとの結果を出した。 そしてモニターに映し出された映像の中には、かつてなのはが請け負った教え子の姿も存在していた。 ロングアーチに重い空気が走る中、その事実をはやて自身が二人に伝えた。 二人ははやての話を聞き唖然としていた、だが先にフェイトが気を取り直し、モニターにレザードを映し出すと睨み付けこう言い放った。 「やはり…あの事件は貴方が引き起こしたんですね!」 「事件?……もしかして“検体”集めの事ですか?事件になっていたとは驚きです。 …そう言えば、“検体”の中に管理局の人間もいたような……」 両手を開き肩をすくめバカにした表情を醸し出すレザード。 その行動にフェイトは怒りに満ちた表情で見つめるが、レザードは不敵な笑みを浮かべ火に油を注ぐかのような口調で不死者の説明をし始める。 なのはに送った不死者は他の不死者とは異なり、人と鳥を融合させたキメラ体にグールパウダーを用いて不死者化させたと自慢するように語る。 その説明に更に怒りに震えるフェイト、彼は先程人を“検体”つまり材料と言っていた。 そして自慢するように不死者の製造を話す、やはり彼は人の命を弄ぶ者だとフェイトが確信する瞬間であった。 一方なのはは一体の不死者を見つめていた、その不死者は先程違和感を感じていた不死者である。 …確かに面影はある、顔色は変色し目も赤く光を放っているが、顔の輪郭や作りはそのままであった。 …かつて自分が鍛え上げ、一人前として立派に成長し送り出した教え子が、 今は見るも無残な姿となって自分と対峙している、その現実に俯くなのは。 前髪はだらりと垂らし顔に影を作ると、端からはどの様な表情を醸し出しているのか判らないような姿と化していた。 フェイトはなのはの落ち込んでいる姿に対し、何も言えない自分に腹を立てていた、そしてその怒りの矛先をレザードに向けこう言い放った。 「この………悪魔!!」 「フッ……よく言われます」 フェイトの悪態に鼻で笑うレザードであった。 時間は遡り、ティアナはダブルモードでクロスミラージュを構えると、カートリッジを四連続消費、16発のクロスファイアを作り出す。 ティアナはコレだけ魔力弾があれば、あの不死者の動きを牽制出来る、あとは自分の技量のみだと考えていた。 ティアナは牽制の準備を終えるとスバルに連絡する。 連絡を受けたスバルもまた上空でウィングロードを展開させ準備を終えたと伝えると、それを皮切りにティアナは攻撃を開始する。 「スバル!クロスシフトB始めるわよ!!」 ティアナはまずクロスファイアを八発分、不死者に向け撃ち放つ。 八発のクロスファイアは木々を縫うように進み上・左・右の方向から不死者に襲い掛かる。 だが不死者は持っていた剣で右から来る魔力弾を一つ受け流し、 左から来た魔力弾を右回し蹴りで撃ち落とし不死者はその場で回転すると残りの魔力弾を弾いた。 弾かれた魔力弾は地面や障害物などに当たり幾つか落とされると、ティアナは残りの八発のクロスファイアを撃ち放つ。 八発のクロスファイアは二手に分かれ前後に挟み撃ちの形で不死者に迫る、だが不死者は右へ飛び込み回避した。 「逃がすかぁ!!」 ティアナは更に魔力弾を追加し撃ち出す、だが不死者は追加された魔力弾を剣で打ち落としていく。 ところが先程弾いた魔力弾と回避した魔力弾が弧を描き前後左右からの攻撃となって降り注ぐと、不死者はたまらず足を止める。 その隙を見てスバルが上空から急降下してくる。 スバルのリボルバーナックルからカートリッジが排出され加速しながらも拳には衝撃波が集う。 「リボルバァァァァァキャノンンン!!!」 スバルの拳が不死者の頭部を捉え手応えを感じた刹那、スバルは一瞬にして手応えを失う。 不死者がソニックムーブを使ったのが分かったのは、拳を振り抜いた後であった。 「くっ!外した!」 スバルは悔しそうに不死者を見つめる、だがスバルの一撃は不死者の左頭部の兜を砕いていた。 不死者は左手で砕かれた部分を覆っていたが亀裂は見る見ると広がっていき全体へと至ると兜は砕け散り顔が露わになる。 その素顔を見たスバルはその場に立ち止り唖然とした表情で佇んだ。 その様子を見たティアナはスバルに檄を飛ばす。 「何してんのスバル!動いて!」 「…ティア………あれ…………」 そう呟くように言うとスバルは震える右手をゆっくりと伸ばし不死者を指差した。 ティアナはその方向へ目を向けると、スバルと同様に驚愕した表情を醸し出す。 ……今まで二人が戦っていた不死者の正体は…… ―――カシェルであった――― 前へ 目次へ 次へ